この日は、三三と吉弥のふたりが2席やって、その片方がネタ下ろし。
吉弥は「鴻池の犬」、三三は「木乃伊取り」。
鴻池の犬って、いつも半端な話だなあと思う。
人間編と犬編が半分ずつくらいで、特にそういう構成にしなくてはいけない理由もない。
吉弥は、もう一席の「蛇含草」がいい出来だった。
関西では蕎麦ではなくてモチなんだけど、
楽しい話をきちんと話してさすがだった。
三三の木乃伊取りはネタ下ろしとは思えない完成度だったな。
もう一席は「真田小僧」を軽く途中まで。
なかなかいい会だったけど、せっかくふたりいるんだから、
なにか絡みがあってもよかったな。
▽
3日は後楽園ホールで、アイスリボン。
女子プロレスだ。
ベテラン税が幅を利かせている女子プロレス界において、
ここはかなり珍しく、年齢層が低い。
なにせ小学生や中学生がいるのだ。
それも、興行の彩りとしてちょっと出るなんじゃなくて、
中心的な存在として出ている。
メインイベントは、さくらえみと中学一年生だったかの女の子だ。
全体にクラブ活動を見てるみたいで、
活気があってはつらつとしてて気持ちがいい。
プロレスのコクはまるでないが、客も入ってるからこれはこれでいいのかな。
子供のレスラー以外もみんな若くて、アイドル系のレスラーが多い。
正直いってもの足りないが、
一生懸命さは買えるかな。
▽
マンガ夜話でなかなかいい仕事をしたうえむらちかが、小説を出した。
「ヤヌス」という。
ラノベ系だな。
▽
吉祥寺にジャルダンって名前の、変な店ばかり入ってるマンションがある。
そこのひとつ「少女塾」をやっている人形作家の市川こずえさんが、
文化人形の個展をやっている。
文化人形というとチープな印象もあるが、
市川さんの人形は、凄く華やかで、清楚なのに豪華だ。
表情も繊細で、衣装のセンスもいい。
子蓮は、5月の5日までだ。
近所の人はぜひのぞいてみて。
市川さんは「リンゴ姫とキンギョ姫。」という本も出していて、
これも夢のある美しい本だ。
▽
名古屋の松坂屋というデパートで、展覧会が行われた。
去年の暮れだったらしい。
展覧会の名前は「まんが農業」という。
作者本人のサイトにある写真を見ると、
大きなショーケースの中に、漫画の単行本や漫画雑誌を束ねたものをたくさん並べ、
それに水を含ませて植物の種を植えているようだ。
こんな風に。
そして、こんな風に。
嫌な気持ちにさせられる光景だ。
作者は美術作家を名乗っていて、これをインスタレーションと呼んでいる。
この人は、漫画の本を、ただの土として扱っている。
そこには、漫画と漫画の本に対する文化としてのリスペクトはない。
相手の存在意味を否定したところに自分の作品を成立させようというところが
ぼくには不快だ。
この人にとって漫画の本はただの苗床で、
それ以上の意味はない。
自分で書いているが、あちこちで急いで適当に集めただけで、
これらの本のラインナップに特別の意味はない。
本当にただの土の代用なのだ。
使われているのが漫画だから嫌なのではない。
これが小説でも写真集でも画集でも、きっと嫌な気持ちになっただろうな。
▽
ダ・ヴィンチのインタビュー。
19日に出す小説「ファイアーキング・カフェ」についてだ。
一ページの写真付きカラーページ。
なんとなく適当なTシャツでイン多ビューに答えてたけど、
あとでダ・ヴィンチの当該ページを見てみたら、
みんな思いっきりカッコつけてお洒落して写っている。
いかんいかん。
Y’sでも着てればよかった。
▽
古いつきあいの絵描き、沢田としきが亡くなった。
ずっと以前は漫画も描いていたが、
その後ドローイング系の絵を始めて、
ここんところはずーっとアフリカに興味を持って絵を描いていた。
毎年自分でカレンダーを印刷していたが、
これが楽しみだった。
すごくいい絵だったし、ぼくは大好きだったのだ。
一度単行本のカバーに使いたいと思っていたのだが、
なかなか合うものがなかった。
'96年に、「アフリカの音」という本で日本絵本賞を受賞しているが、
今でもずっと売れているいい本だ。
沢田くんは、まだ51歳だった。
若いよなあ。
まだまだこれからいい絵をたくさん描けたのに。
急な訃報だったのに、葬儀には友人達が大勢集まった。
沢田妻のせっちゃんとは、沢田くんよりもつきあいが長い。
喪主を務めたのは彼女ではなく、ふたりの娘だ。
父親の影響で、絵を描いたりデザインをやったりしている。
葬儀を仕切ったのは、下北駅前にある下北のジャニス、金子マリの実家だ。
棺には、イラストがたくさん描いてある。
娘ふたりの作かもしれない。
葬儀の日は、いい天気だった。
みんな集まって、みんな泣いたが、
いい葬儀だった。
最後は、友人達の叩くアフリカンドラムの音に送られて棺は斎場に向かった。
沢田くんのことは、みんなずっと覚えていると思う。
彼の絵のことも、覚えている。
彼の描いた絵や作った本が、
この先もずっと大勢の手にとって見られ、読まれますように。
▽
「マイマイ新子と千年の魔法」を、吉祥寺バウスシアターで観てきた。
噂には聞いてたが、圧倒的な風景だなあ。
日本にかつてあった風景だ。
今も、日本のどこかには存在しているだろうが、
それはもうメインストリームではない。
日常の真ん中に、どっしりとこの風景が広がっていたことも、
かつてこの日本にはあったのだ。
穂並みに浮かぶ家、畑を縫って流れる小川、
ぼくも祖母や曾祖母の家の周りに、
50年ほど前に見たことがある。
それが、映画館の画面の中に、今はある。
ありがたいような寂しいような。
物語は、実に丁寧だ。
なにも変わったことがないような田舎の暮らし、
その中に起きる小さな波風を、監督が丁寧に掬っていく。
その波風は、はたから見ていれば小さな波でも、
その家族にとっては、存在を揺るがす大事件だ。
小さな集落の小さな事件。
それが重なって、物語になっていく。
こんな丁寧な仕事はもうできないかもしれないなあ。
▽
NHKBS2の「MAGネット」って番組の収録をやってきた。
漫画とアニメとゲームを取り上げる番組だ。
いろいろわけあって、NHKBSには、
今期、サブカル系の番組があまり見当たらない。
MAGネットは貴重な番組なので、できることは協力しないとね。
大崎にあるフットサル場でロケ。
山本敦久って上智の先生と、ペナルティのヒデと、
3人でサッカー漫画について話した。
今一番面白いサッカー漫画は「ジャイアントキリング」だ。
サッカー漫画というか、個人的には一番楽しみにしている漫画のひとつ。
ぼくは面白さの秘密はなにかという話をしたんだけど、
マンガ夜話みたいな構成ではないので、説明がなかなかむつかしかった。
緊張と緩和をうまく使った構成が優れている。
オンエアは、NHKBS2が、5月16日の夜11時50分から。
再放送が、BS-hi5月22日の午前0時20分からと、5月26日の午後5時から。
しかし、番組冒頭で、3人でパス回しやったんだけど、
何十年ぶりなんだ。
▽
「5.26」
柳家小三治を聞いてきた。
三ノ輪にある、初めての会場。
三ノ輪の駅は初めて降りたなあ。
下町というか、古めの小さい家がぎっしり立ち並んだ一帯。
会場はサンパール荒川。
1200人も入る。
落語家で1200人埋められるのもすごい。
まず燕路が出てきて「たらちね」。
別に文句をいうほどでもないが面白くはない。
小三治は、枕が長い。
枕を聞きに来てる人も多いくらい、まあ面白いんだけど。
柳家小さんに小三治という名前を決められた話を枕に、
「禁酒番屋」。
小さんゆずりの酔っ払いのうまさかな。
中入りを挟んで、また小三治。
長い長い枕が始まる。
主に、バンドエイドとうがい薬。
延々とやってるうちに、いきなりマイクがバリバリと音を立てたと思ったら、故障。
音が出なくなってしまった。
いやー、ちょっと珍しい。
ちょっと前に、志らくが大遅刻したけど、あれくらい珍しい。
マイクを取り替えて再開。
枕でよかった。
歌なんかも唄って、落語に入れるのかと思ったけど、
なんとか「野ざらし」途中まで。
小三治はいつもけっこう大きい劇場で聞くけど、
一度小さい小屋でしっとりと聞きたいな。
大勢相手にマイクだと、そりゃやっぱり喋り方も演出も違う。
せいぜい100人くらい相手に、語りかけるのを聞いてみたいもんだ。
▽
いやー、そろそろ山も越えたな。
なぜこんなに締め切りが集中してるのかと思ったら、
ゴールデンウィーク前なんだな。
連休進行というやつだ。
あんまり普段は気にならないんだけど、
たまたまそれにほかの前から受けてた単発仕事や単行本が重なって、
身動きできない状況になっていた。
HPの更新が滞っていたのも、
決してTwitterやってただけが原因ではない。
Twitterは手軽だけどね。
原稿用意しなくてもいいし、データ揃えなくてもいいし、
さっと書ける。
140字は短いけど、短いことだけを書けばいい。
でも、なにかひとことつぶやいて、
それに対する質問がきはじめると面倒臭い。
みんないっせいに似たようなことを聞いてくるし、
それに対する答えとそれに対する再質問と、
それに対する微妙にずれた反論と、
そんなものがばらばらとやてくる。
ズレを訂正してると、さらにずれた質問とやや元に戻った質問とかきはじめて、
またいっそう混乱する。
みんなどうしてるんだろうかね。
それと、毎日フォローしたという通知が100通以上くるけど、
一日終わってみると、フォロワーは100人も増えていない。
つまり、どんどんフォローして、
どんどんリムーブしてるわけだな。
別にいいんだけど、みんな忙しいなあ。
フォロワーも、5ヶ月でもう9300人を越えた。
HPもそうだけど、読者がついてしまうと、つい義務感で書いちゃうんだよな。
原稿料出ないのになあ。
まあ本の宣伝くらいはしとこう。
▽
というわけで、5月の19日に、
なはを舞台にした小説集「ファイアーキング・カフェ」を出す。
デザインは、だいたいこんな感じ。
版元は光文社で、1600円だ。
最近のぼくの本の中では、格段に安い。
厚さは普通だけどね。
那覇と吉祥寺をいったりきたりで暮らし始めて、
もう5年か6年経つ。
那覇は、妙な街だ。
のんびりした田舎だったはずなのに、
いろんなものが絡んで、バランスの悪い街になった。
そこに、本土から人が流れ込む。
みんな、いったいなにを求めてくるのか。
それを那覇の人は、どんな風に見ているのか。
那覇の今を、内側から外部の目で描いた小説は、あまりないと思う。
ちょっと面白いものが書けたと思うので、
発売されたら書店で手に取ってみて。
まだ先だから、時々告知するけどね。
▽
ここ数日は、「GIANT KILLING」を読んでいた。
だいたいは読んでたんだけど、単行本で頭から読んだ。
面白いなあ。
週刊でも面白いんだけど、単行本だともっと面白い。
意図的にテンポが作ってあって、
緊張と緩和が交互にやってくる。
デビューの下手なころから見てるけど、
これほどうまくなるとは思わなかった。
サッカー漫画ではもちろんピカイチだけど、
漫画全般でも、今はこれがトップクラスの面白さだな。
▽
今週というか今月は忙しい。
仕事もそれ以外も山積みで、HPの更新してる余裕がない。
昨日の夜東京に戻ってきたんだけど、
結局、今回は那覇にいてもほとんど仕事場に籠もっていて、
散歩する時間もろくになかった。
おまけに、仕事もいろいろ積み残してきて、
単に移動して効率が悪かっただけになってしまった。
来月はちょっと余裕を持ってできると思うんだがなあ。
▽
ゴールデンウィーク合併号用の原稿で、
久し振りに「大阪ハムレット」を読み返した。
いい話だなあ。
森下裕美が描かなくてはいけなかった物語だ。
すごく引っかかりの多いケンのある絵柄だが、
この絵柄があってこそ、この物語が描けた。
「ボクもしんどいのかなんわ」と泣く少年に、
読んでいるこちらの心もぐっと鷲掴みにされる。
悲しい時に泣く物語は好きではないが、
これは読者を泣かせるための涙ではない。
確か3巻まで出てるが、もうやってないのかな。
▽
昨日は、青島食堂にいった。
ここは、水餃子が旨い。
店はかなり汚いが、
親父ひとりでやってるから、 まあしょうがない。
そしたら、なんと、今日、
15日の「とんねるずのみなさんのおかげでした」に、
この青島食堂が出るらしい。
きっと、きたなシュランだな。
汚いけど美味い店だったら、まさに青島食堂はぴったりだ。
いつもは愛想の悪い親父も、
東京にいる娘と孫が喜ぶよ、とちょっと嬉しそう。
忘れずに見てみよう。
▽
5時半ごろに、太郎が迎えにきて、首里のスタジオに向かう。
タイフーンfmは、ひめゆり通りから安里の交差点を右折して、
龍譚池の近く。
山城まんじゅうが、いつの間にか復活していた。
「小ネタ超特急」は、太郎とえぃみぃがふたりで喋っている。
今日はゲストというよりも、3人目の出演者として参加。
ついでに、来月出す小説集「ファイアーキング・カフェ」の宣伝。
なにせ、那覇が舞台の話だからね。
ああだこうだと喋っていると、あっという間に一時間終わり。
そのまま打ち上げに入る。
うちの近所にパンダ餃子という店があったんだけど、
それがつい先日、店を畳んでしまったのだ。
建物が老朽化したという話だったのだが、
あのくらいの老朽化、那覇じゃ普通なんだがなあ。
それで、店は亡くなってしまったのかというと、そうではなく、
銘苅というところに新店舗ができているのだ。
ただ、けっこう遠い。
タクシーでいかなくてはいけない。
新店舗は、かなり派手だ。
ここはたぶん、以前は歓会門という沖縄そば屋が入っていた。
何年か前にきた記憶がある。
まあ味が一緒ならなんでもいいやと入ってみたら、
入り口に食券の券売機がある。
人件費節約か。
餃子の種類が減っている。
というか、料理の数が激減だ。
定食系ばっかりになってるぞ。
それでもいくつか残っていた餃子と小龍包を中心に注文した。
ふむふむ、味は変わってないな。
壁に貼ってあるメニューを見ると、券売機にないものがある。
中国人らしいカタコト日本語の兄ちゃんに、
あれはどう注文すればいいのかと聞くと、
口頭で注文して現金で払うらしい。
おまけに、定食の料理を単品でも注文できるという。
なんのための券売機なんだ。
まあちょっと勝手が悪いが、店があるだけでもいいや。
またこよう。
▽
今日は曇りだったなあ。
数日は曇りか雨みたいな予報だ。
どうもパッとしないが、まあこの季節はこんなもんだ。
今日は首里のタイフーンfmスタジオで、夜7時から生放送。
太郎とえぃみぃのコンビと一緒に「小ネタ超特急」だ。
時間が合うと出てるが、今日のネタは時間がなくて仕込んでない。
どうなるかなあ。
さて、ではちょっといってくる。
那覇周辺の人はよろしく。
ほかの地方の人は、後でポッドキャストで聞けるんでアップします。
▽
下で告知した通り、プラヌラでちょっと集まった。
適当にきたい人がくるという形にしたんで、
いきますといっててこなかった人も、突然きた人もいたが、
ぽつぽつと出たり入ったり、知り合いもきたり偶然きたやつもいたりして、
全部で何人いたかな。
6人か7人くらいか。
特になにをするわけでもなく、だらだらと長時間喋っていた。
沖縄では、こういうのをゆんたくという。
前日ほとんど寝てなかったので、
落ちそうになって解散。
最後までいた参加者は、こんな人たち。
お疲れ様でした。
またやろう。
▽
那覇は暑い。
羽田を発って日は、特に東京が寒くて、7度しかなかった。
でも、那覇に着いたら27度だった。
日本は案外広いというか長いよなあ。
▽
この間読んだ「マンガ脳の鍛えかた」について書いてるんだけど、
予想外に手こずっている。
そう踏み込んだインタビューじゃないんだけど、
なんといっても数が多い。
これだけ集まると、いろんなものが見えてくる。
それが面白いんだけどね。
▽
那覇にいくたびに、
那覇在住の人が会いたいといってくれるんだけど、
なかなか時間が取れずに、まだ数人程度しか会ってない。
今度は12日から一週間ほどいくんだけど、
その12日の夜に、パラダイス通りにある
プラヌラというカフェにいってるんで、
こられる人は参加して。
もちろん、参加表明はしてほしいけど。
参加する人はメールを下さい。
詳細を教えます。
▽
5月に、久し振りに小説集を出す。
那覇を舞台にした6本の連作だけど、
短編小説集ではなく、
6本が絡み合い連携しあって、一本の長編になるような作りだ。
連作長編かな。
カバーの撮影が終わり、カバーデザインもだいたいは決めた。
ゲラを数日で返して、カウントダウンに入る。
ほんとに小説を出すのは久し振りだなあ。
ギャグ系の小説を、今まで講談社や角川から何冊か出してきたが、
シリアスな物語もずいぶん書いてはいた。
でも、本に纏める程の量がなくて、一冊にしにくかったのだ。
今回は、最初に一本頼まれたら続けられる手応えがあったので、
その後、間を空けてもう5本書いた。
ほかの仕事の傍らなんで、量は書けない。
でもやっと一冊になる。
タイトルは「ファイアーキング・カフェ」だ。
知ってる人は知っているアメリカの器の名前だ。
カバーも、そのカップ&ソーサーにする。
すごくシンプルな表紙だ。
もうちょっとだけ待って。
きっといい本になると思う。
▽
久し振りに晴れていい天気だったんで、
近所の善福寺公園まで花見にいってきた。
ちょっと忙しいので、ほんとに公園をぐるりとひと回りしただけだが、
桜はいいなあ。
日本の春は、やっぱり桜だね。
池の水で冷えた風が渡るんで、ちょっと公園の中は寒い。
でも、天気がいいんで、ベンチでぼーっとしてると、どんどん蓄熱する。
人間もソーラーだなあ。
長持ちしないけど。
草むらに、アヒル発見。
こいつは以前、怪我をして公園に捨てられていたアヒルだ。
公園にいついて、すっかり元気になった。
公園は、だいたい3ブロックに分かれている。
リタイアした世代が集まっているエリア、
学生が宴会を繰り広げているエリア、
自転車に乗った若いママが子連れでたむろするエリア。
比較的すいてて広いので、
人が集まっていても苦にならない。
このへんが、井の頭公園とは違うところだ。
桜の花の色は、よく見ると微妙に何種類かある。
ソメイヨシノ以外もいろいろ植えてあるんだろうな。
その辺の知識がないから名前はわからないが、
違う花なのは見ればわかる。
池で亀がひなたぼっこしていた。
今日は陽射しがあるから、亀も暖まりたいよな。
もういくらなんでも、これで春がくるだろうなあ。
今年はちょっと冬を引っ張りすぎだよ。
公園の突き当たりまでいって、ぐるっと戻って一時間。
いい散歩だった。
▽
渋谷で韓国映画「息もできない」を、観た。
長かった。
でも、よかった。
ずっと凄い緊張感で、まさに息もできなかった。
話を終息させる気配がないので、
これはふっと放り出して終わるタイプかと思っていたら、
そうでもなかったな。
終盤、子供の幼稚園で学芸会という話になってきたので、
なるほど、あれがああしてああなって終わりだな、と予測したら、
ほんとに、あれがああしてああだったんだけど、
悪くはなかった。
ただ、エピローグは冗漫で要らなかったな。
もっとぶつっと切ってしまえば、どれほどの緊張感だったか。
自分で編集したから、未練が残ったんだろう。
この映画は、ヤン・イクチュンの製作・監督・脚本・編集・そして主演だ。
彼の魅力で全てが統一されている。
初の長編映画とは思えない完成度の高さ。
この映画を観ていて、どこかでこれは観ていると思った。
これはぼくらが経てきた'70年代の漫画だ。
さんざん読んだり描いたりしてきた、'70年代の日本の漫画と匂いが同じだ。
つげ忠男や初期かわぐちかいじや、有名無名の劇画家たち。
芳文社あたりの二流劇画誌でたくさん読んだ漫画。
今なら嶺岸信明なんかに感じる匂いだ。
社会が右肩上がりに規模を膨らませていく中で、
取り残されようとしている人間達と街。
観ている間、ずっと感じていた懐かしさは、それだ。
今年の今のところナンバーワンだ。
韓国映画で、初めて感心した。
▽
佐藤史生さんが亡くなった。
坂田靖子さんが、ブログで書いている。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ysakata/work/spys/100406dosato.htm
ぼくとは何歳も違わない。
まだ描ける年齢なのに、残念だ。
冥福を祈る。
▽
マックはちょっと休止させてるんで、
ウィンドウズのコンピュータの中でも掃除するかと思ったんだけど、
久し振りなんで、開け方を忘れてしまった。
取説もどこかに潜ってしまってるし、
うーん弱ったなあ。
HPのPavilion Vシリーズなんだけど、
簡単にはずせたか面倒だったか、どっちだっけなあ。
一家にコンピュータがいくつもあると、混乱するよな。
↑
結局、ネジを外さないと駄目らしい。
面倒だなあ。
▽
柳家喬太郎は、凄く人気がある。
独演会のチケットも取りにくいし、
ちょっと前に池袋演芸場にトリで出た時には、
舞台下まで人が溢れて大変な騒ぎだった。
料理の出てくる落語について書いた本が出たんだけど、
なかなか面白い。
この間、曙橋の小さなバーで、喬太郎の独演会があった。
知り合いが切符を取ってくれたんで、
ありがたくいってきた。
30人くらい入ればぎゅうぎゅう詰めの小さな店だ。
そこに無理矢理高座を作ってある。
喬太郎はここで毎年一回、もう八年もやってるらしい。
ぼくの席は、正面の前から2列目だった。
だいたい、喬太郎とは1メートルちょっとしか離れていない。
やりにくいだろうし聞きにくいよなあ。
喬太郎は鼻の穴がでかくて、直視しにくいんだよな。
いや、贅沢な空間なんだけどね。
喬太郎はどこからか着物姿でやってきて、話し始めた。
枕が長い。
やっぱりこれだけ人が詰まってると、枕も世間話っぽくなるな。
学校寄席の話なんかをさんざん振って「蒟蒻問答」。
休憩を挟んで、円丈作の新作で、肥達というおわい屋の噺。
かなり尾籠な噺だったんで、
ちょっとこれで帰るわけにはいかないでしょと、もう一席リクエストを募る。
「長屋の花見」と「太鼓腹」が、出て、
長屋の方にしたかと思ったら、途中で若旦那が一八に鍼を打っている。
ミックス落語だった。
大サービスで客も堪能して帰る。
志らくは、喬太郎には江戸の風が吹いていないといってたが、
別に必要ないよ。
志らくの目指す落語には、きっとそれは必要なんだろう。
でも、それは落語全般に必要なものではないよな。
▽
DDTというプロレス団体とは仲がいい。
昨日も、新宿FACEに、高梨と関本の戦いを観に行った。
その前に、エースの高木三四郎が関本と闘ったのを見たんだけど、
その関本が凄まじかったのだ。
パワーファイター同士だったのだが、
ほんとにトラックの正面衝突みたいだった。
でも、今日の高梨は背も小さいし体もない。
ついこの間まで、その他大勢扱いされるレスラーだった。
どうやって闘うんだろうと、興味があったのだ。
セミファイナルは、飯伏と外道。
これがかなり面白くて、
こりゃメインがかすんじゃうかもなと思ったのだ。
でも、そうではなかった。
高梨は、闘った。
粘ったんじゃなく関本と闘ったのだ。
いい闘いをした。
セオリー通り大きい相手は足を攻め、
でもそれだけではなく、正面からも果敢に突っこんでははねのけられた。
そのうち、関本の足が利かなくなってきて、
ほとんど五分の闘いになってきた。
会場は大騒ぎで、高梨を応援する。
ほんとに勝つんじゃないかと思ったが、
最後は関本のパワーに負けた。
もうぼろぼろで、立てないんじゃないかと思ったが、
控室に顔を出したら、ちゃんと自分で歩いて出てきた。
いい試合だった。
だから、次は勝とう。
明日からの高梨が楽しみだ。
▽
少年ジャンプ編集部から、「マンガ脳の鍛えかた」という本が出た。
今読んでるとこなんだけど、
本宮ひろしやゆでたまごを始め、
ジャンプ出身の漫画家が大勢、自分の創作の秘密を語っている。
いやー、こういうの好きなんだよな。
漫画家はもっと自分で発信するべきだよ。
作品以外にもね。
▽
三鷹の駅前にある芸能劇場で、落語会があった。
立川龍志が二席やって、もうひとり恩田えりが出る。
彼女は寄席の下座さんだ。
つまり、舞台袖で出囃子を弾く人だ。
といっても、まだ若い女の子。
三味線を弾いて唄を歌って、
ついでに喋りもなんだか妙な面白さがある。
龍志はいつもの調子できちんと二席。
恩田えりは、楽しく歌いつつ弾きつつ、
自分の寄席での役割を説明する。
太神楽でも伴奏をするといいながら、
小さい傘を出し、小さな鞠にひもをつけたものを、傘の頭につけて、
くるくると回す。
インチキの太神楽だ。
ではこれを誰かに回してもらいましょうといって、
こちらをじっと見る。
ぼくは最前列の端に座っていたのだ。
ではそこのメガネのかたと指名され、
ぼくは舞台の上で傘の上の鞠をくるくると回したのだった。
まったくもう。
終わってから、成蹊大の向かいにあるイル・ラメリーノというイタリアンで打ち上げ。
ここは美味しいんだけど、凄く量が多い。
龍志は、リゾットを生まれて初めて食べたそうだ。
恩田えりは、明日の朝までにコントの台本を書かなくちゃいけないからと、
途中でリタイア。
でも、楽屋で差し入れのおいなりを3ヶも食べたそうだから、
充分にお腹はいっぱいだな。
デザートの丸ごと焼き林檎まで食べて解散。
美味しかったから、また今度いってみよう。
▽
一昨日は花見だった。
天気予報では15度くらいというので、こりゃいい花見日和と思ったら、
あにはからんや激寒で、凍えながらの花見だった。
五日市街道を上って、善福寺川とクロスするあたり。
いい花見ポイントがある。
ここにみんなで集まったのだ。
家からは、自転車で25分。
ちょっと寒いけど、まあせっせとペダルを漕いでれば暖かくなる。
ちょっと遅くなったから、善福寺川沿いの小山の上で、
もう既に宴会は始まっていたが、
寒いんでもうひとつ景気がよくない。
肩を寄せ合って、持ち寄ってご飯を食べつつ飲むという、
まあ花見ではありがちな風景だ。
花見って、例年案外寒いんだよな。
桜の花は、まだ半分も咲いていないが、
木によっては満開の物もある。
この小山の脇の木は、既に満開に咲き誇ってるのだが、
寒い曇り空なので、もうひとつ華やかさに欠ける。
日が当たった明るい日には、桜の花が映えるんだがなあ。
吉田戦車の妻というか、伊藤りさっちが、子供を抱えてきていた。
子供は、初めて見た。
髪がふさふさで、お腹の中にいるころから、
羊水になびいてるのが 見えてたそうだ。
まだほんとに小さくて、母親の庇護下でしか生きられない。
人間の子供は大変だよな。
大林宣彦監督の娘の千茱萸さんとか豊田有恒さんの奥さんのチャコさんとか、
イラストレーターのvallさんとか、
料理自慢が持ち寄った料理が素晴らしい。
ぱーっと賑やかにというわけにはいかなかったが、
とりあえず春のノルマはひとつこなしたな。
▽
忘れてた。
読売新聞で、30日の夕刊から4回連載始めたんだ。
毎週火曜の夕刊。
この前やったものとは違うネタ。
「マンガの流儀」
世間のルールとはちょっと違う漫画界のルールについてのコラムだ。
家で取ってる人は、ちょっと探してみて。
▽
BSフジのプライムニュースで、
例の東京都「非実在青少年」規制問題を長時間取り上げていた。
反対側は、里中満智子さんと藤本由香里さん。
賛成側は、東京都副知事の猪瀬直樹がきていた。
猪瀬は、これは表現の自由問題ではなくゾーニングの問題だと、
論議の対象を矮小化しようとしていた。
小学生とセックスするような酷い漫画が書店ですぐに買えるので、
それをなんとかしようという意図のものだと、
最初から最後まで失笑と共にいい続けていた。
ああ、もう猪瀬は、表現者ではなく官吏になってしまったんだな。
ゾーニングは、既になされている。
それが不徹底だというのなら、
それを修正すればいいことで、
条例を新たに作って、
18歳以下に見えるキャラが性行為をしていたら駄目という
誰が決めるんだかわからない曖昧な基準を作って
取り締まる必要はない。
それは、権力を持っている側がその取り締まりを容易にするため、
大きい網をかけようとしているだけだ。
猪瀬は、文学はいい、という表現をしていた。
それはたぶん文字の表現ならいいという意味ではなく、
芸術ならいいがただのエロは駄目だというようなことだろう。
芸術は、無駄に見えるあぶくの中からこそ産まれてくるものだ。
猪瀬は、石原に飼われているうちに、
それすらもわからなくなってしまったのか。
かつては、自分も表現者の一隅を占めていたのに。
非実在青少年規制は、まだ生きている。
油断はできない。
プライムニュースは、比較的好意的に扱ってくれたが、
こういう媒体がもっと増えてほしいもんだな。
▽
それはそれとして、
今夜の恵比寿マスカッツ卒業はけっこうでした。
ニュースとプロレス以外で、マスカッツは唯一見てるテレビ番組かも。
▽
お江戸日本橋亭という小さい小屋がある。
小さい小屋というのはほんとに小屋なわけではなく、
少人数用の興行スペースだ。
ここで柳家喬太郎のミニ落語会があった。
落語CDを買うと入場券が当たるんだけど、
ペアで招待されるんで、
落語好きから権利をわけてもらって参加。
ミニというくらいで、落語一席と、トークだ。
まずは喬太郎が出てきて「百川」。
枕で、あまりやらないやつをといっただけあって、
気になるところもいくつかあったが、
それを補ってしまう喬太郎の面白さがある。
今が面白いなあ。
10年経てば10年経ったで違う面白さはあるんだろうが、
今の面白さはこたえられない。
終わってから、司会者が出てきて、ふたりでトーク。
司会者というのは、落語CDを作ってるプロデューサーだ。
いろんな落語会で顔を合わせる。
しばらく話してそれから質疑応答なんだけど、
誰も質問の手を挙げない。
仕方ないから呼び水になろうと手を挙げる。
喬太郎は学生時代落研で落語をやってたんだけど、
卒業してサラリーマンをしばらくやってから落語家になった。
それはなぜか。
そりゃやっぱり、やらずにはいられなかったんだよな。
当たり前のことだ。
その後、質問がいくつか出て、
サラリーマン時代の話なんかもあり、
その後、今の寒空はだかたちとやっていた新作の会の話もあり、
楽しく会は終わった。
今日は夢枕獏夫妻その他、
いろいろ知り合いもきていて、
ちょっと楽屋に顔を出す。
喬太郎に、気がついてましたといわれたが、
手を挙げれば気がつくな
今日の会は、喬太郎を聴きに来た客がほとんどで、
完全ホームだった。
かといって、マニアックというほどでもない。
こういうのも和気藹々としてていいな。
▽
夜中に女子フィギュアを見ていた。
昨日のSPに続いて、今日はフリーだ。
真央ちゃんは、結局逆転でトップに立ち、金メダルだった。
そして、キム・ヨナは、二位だった。
まあそれはいいのだ。
真央ちゃんは、よく頑張った。
でも、なんだか納得できないものが残る。
今日のフリーで、真央ちゃんは回転不足がひとつあったらしいが、
あとはノーミスに近かったと思う。
フリーの得点は、129.50だ。
キム・ヨナは、ジャンプを一回転倒し、一回飛べなかった。
これはもう駄目だなと思ったら、
得点は、130.49だった。
二度も失敗しても、真央ちゃんよりも高い得点なのだ。
いったい、フィギュアの採点ってどうなってるんだ。
いや、大まかなところは知っている。
今回の採点も、現在の採点法に照らして、理屈は通ってるのかもしれない。
でも、素直に見て、大きな失敗二度もして、
最高得点が出せるって、どうもおかしいよな。
それって、競技として正しいんだろうか。
腑に落ちないところの多い、今年のフィギュアだった。
▽
ゆうべは調布で、オフ会があった。
比較的若い漫画家が集まるオフ会なんだけど、
誘われたんで、ちょっと顔を出してみた。
少女漫画家のよしまさこさんがいくというんで、
まあ会場で独りぼっちにはならずに済む。
会場は、ひし美ゆり子さんの店らしい。
ウルトラセブンのアンヌ隊員だ。
いってみたらもうなんだか凄い人で、立錐の余地もない。
初対面の人ばっかりなんで、
手近なところだけ挨拶して、
適当なところで切り上げてよしさんと駅前の喫茶店で四方山話。
あんまり人が多いと、人疲れしちゃうよな。
スタッフのみなさんお疲れさま。
▽
晩飯はどうしようかなと思って、行けそうな所を考えた。
ここんところは、西荻のぼんしいくにいくことが多いんだけど、
外を見たらかすかに雨が降っている。
うーん、ぼんしいく雨の中をいくには、ちょっと遠いなあ。
それで、近所のカフェ、コポ・ド・ジーアにいくことにしたのだ。
ここは、以前は一日中やってたんで、
昼飯食べにいったりコーヒー飲みにいったりしてたんだけど、
最近は午後3時からになってしまって、
ちょっといく回数が減った。
でも、近くて美味しい御飯が食べられるんで、こういう時には便利。
あんまりご飯の種類はないから、
軽く食べる時に向いている。
今日は、桜御前だったか、そんな名前のご飯にした。
あとは、パスタと、ブラジル風の鶏のストロガノフ。
新じゃがも新キャベツも美味しかった。
近所にいい店があると便利だね。
▽
夜中にustで女子フィギュアを見てて驚いた。
ここで長洲が出てくるとは。
まさかの一位だ。
浅田真央ちゃんの二位もビックリだけど、
一番驚いたのは、キム・ヨナだ。
詳しくは朝刊参照だけど、
オリンピックで、ほんとに達成感を得てしまったんだなあ。
あのキム・ヨナにして、
モチベーションを維持するってのは、むつかしいことなんだ。
▽
日生劇場にいってきた。
かなり久し振りだ。
客席に入ったら、壁の肌が、特徴のある古木のような不思議な質感。
ああそうそう、こんなだった。
前にきたのは、なんだっけなあ。
ロビーには、越路吹雪なんかの歴代ステージの写真。
歴史があるね。
さて、今日の演し物は、歌舞伎だ。
それも、BL歌舞伎と銘打っている。
まあ歌舞伎はBLとかいわなくても、衆道ネタはいかにもありそうだよな。
正式タイトルは、「染模様恩愛御書」。
市川染五郎と片岡愛之助が主演だ。
当然、このふたりが男色のカップルを演じるわけだ。
客入りは、うーん、もうひとつかな。
後ろとか3階席がだいぶ空いている。
幕が開くと、ちょっとびっくり。
わりと簡素なセット。
現代劇みたいだ。
今回はけっこうカジュアルな歌舞伎で、
会話も現代語みたい。
おまけに、つまらないギャグが多い。
ドルチェ&ガッバーナとかイナバウワーとか、
変な言葉がやたら出てくる。
染五郎と愛之助のロマンスも、コメディ仕立てで演じられて、
初めてのセックスシーンは、シルエットでコントみたい。
客席はちょっと困りつつくすくす笑っているが、
正直、笑っていいものかどうなのか、ちょっと苦しむ。
つまり、ギャグの質があまりにもベタで、
意図してやってるのかどうかが微妙なんだよな。
その他の部分は、きちんとやってるんだけど。
2時間くらいで休憩が入る。
ロビーでコーヒーを飲んでたら、
隣の席のオヤジが、俺は男同士の話なんか興味ないとごねていた。
女房は、スーパー歌舞伎よりも情緒があるじゃない、と
変な説得の仕方をしてた。
さて後半。
物語は一気に佳境。
大スペクタクルもあり、感動のエピソードで悲しい大団円。
でも、カーテンコールで、出てきた染五郎と愛之助は、
手をつないで、見つめ合い、
やっぱりコメディっぽい。
大阪での初演では、もっとギャグ満載だったらしい。
染五郎のはらわたを引っ張り出して、
「かん・じん・ちょう!」と笑いを取ってたそうだ。
つまりまあ、そういうテイストを狙ってはいたんだな。
▽
「フリースタイル」という雑誌がある。
今月号はそこで、日本の漫画全集を作るという企画をやっている。
日本や世界の文学全集はかつてどこの家庭にもあったが、
最近はあまり見かけなくなっている。
では漫画はどうかというと、かつて少しはあったのだが、
近年はまったく見られない。
各出版社間の権利関係とかもむつかしいのだが、
それは考えないことにして、
実際に日本漫画全集を作ったら、どんなラインナップになるのかを、
呉智英、村上知彦、いしかわじゅんの3人が、
時間を掛けて本気で考えてみたのだ。
ほぼ戦後から始まって、70年代あたりで力尽きて次号回しになったが、
なかなか面白い企画だったと思う。
ちょっと書店で手にとってみて。
今回は、写真も満載だ。
▽
小さいビデオカメラで、画質のいいのがほしいなあと思ってたのだ。
ずっと使ってたのは、パナソニックなんだけど、
これがけっこう綺麗な絵が撮れてたのだ。
ところが50インチのプラズマにつないでみたら、
びっくりするほど画像が荒い。
うーん、ハイビジョンかフルか、どっちかを買わなくちゃ駄目か。
本格的なビデオはそう必要ないんで、
手軽なのがいいな。
そしてうちにやってきたのは、これだ。
SANYOのデジタルムービーカメラ、ザクティDMX-CS1
。
小さくて軽くて薄い。
携帯電話くらい。
うーん、これでフルハイビジョンが撮れるのか。
凄い時代になったなあ。
充電して、さて散歩がてら、春めいた景色でも撮ってくるかなと思ったら、
SDカードが別売だった……。
入れといてくれよお。
まあSDカード大きいのはけっこう高いからな。
値段を下げるためには仕方ないか。
ちょとネットで安いとこを探そう。
どこが安いのかな。
▽
昨日は、NHKBS2で、「マンガノゲンバ」をやってたらしい。
そしてそれは、吉祥寺の漫画家特集だったらしい。
吉祥寺には漫画家が山ほど住んでるからな。
見た人の話では、この近所の漫画家がぞろぞろ出てきたという。
でも……、ぼくには声がかかっていないのだ。
吉祥寺在住なのに。
というか、吉祥寺に住み始めたのは、ぼくがほとんど最初といってもいいくらいなのに。
ついに、NHKにまで、俺はゲンバの人ではないと認識されてしまったのかー!
文章ばっかり書いてないで、今年はもう少し漫画描かないとなあ。
▽
「バンキシャ」終了。
今日も、スタジオ時間は短かったー。
ここんところ多少は長くなってるかと思ったのに、また元の木阿弥だ。
コメンテーター置くんなら、もう少しなにか話させればいいのになあ。
しかし、今日も河上さんは自分勝手だった。
スタジオの持ち時間全部ひとりで使い切ってしまって、
俺の話す時間なしだ。
CMに入って、ちょっとひとこといっておこうとしたら、
福澤くんがサッとこちらを向いて、
両手を合わせて申し訳なさそうに頭を下げたんで、なにもいえなくなってしまった。
別に福澤くんが悪いわけじゃないんだがな。
今日のネタは、クロマグロと国松長官狙撃事件だ。
クロマグロは、ワシントン条約なんて筋違いの網を掛けようとするのがそもそも無理だ。
まるで児童ポルノに出ている被害者たちを救うためと称して
二次元表現物にまで網を掛けようとする東京都の条例みたいなものだ、
というような話までは時間がなくてできない。
スタジオ時間がもっとあればなあ。
国松長官については、結局コメントできず。
時効まですぐだけど、解決はむつかしいだろうなあ。
警察トップが部下の目の前で狙撃されて、犯人を捕まえられないなんて、
警察の威信もなにもあったもんじゃないな。
帰りの車で、どうも体調が悪かった。
バンキシャの帰りって、どうも体調がもうひとつになるんだよな。
あのスタジオになにかいるかも……。
でも、新しいスタジオで、特に因縁もないはずなんだがな。
▽
忘れてたが、今日はこの後、日テレで「真相報道バンキシャ!」だ。
夕方6時から。
クロマグロと国松長官ネタなんだけど、
ちょっと俺の関わる部分で変更があって、うーん、時間がないなあ。
早くなにか考えないと……。
しかし、怜ちゃんがいないバンキシャは、なんとなくイメージが違う。
まあ主に、漫画を描いても不思議なリアクションがない、
というあたりなんだけどね。
玲ちゃんは、どういう育ちかたをしたんだろうな。
不思議な子だった。
▽
ミミがうちにやってきたころ、
正ちゃんは7歳かな。
正ちゃんはまだちょっと人間ができてなかったので、
余所ものが自分のテリトリーに侵入してきて、
はたして仲良くしてくれるかなあと心配していたのだ。
しばらくは、警戒していた。
ミミがそばにくると、シャーッと威嚇して追い払っていた。
でも、1週間もすると、もう慣れてきて、
2週間経ったらもう気にしなくなっていた。
とはいっても、
ミミはすぐ正ちゃんに懐いたけど、
正ちゃんはどこかよそよそしかった。
ただ、危害を加える相手ではないと認識したので、
ミミが自分のテリトリーに入ることを許してやってるといった、
なんというか仕方なく加減が、行動からも見て取れたのだ。
それが、いつの間にか、仲良くなった。
昔からずっと一緒に暮らしてるみたいに、
冬にはぴったりとくっついて、
最近は暖かくなってきたけど、
まあ同じ場所に違和感なく一緒に寝ている。
特に、ミミが正ちゃんを大好きで、
正ちゃんにいつもちょっかい出している。
正ちゃんも、それを煩がりつつ、
もう自分の生活に当然居るものとして認めている。
ミミを貰ってきてよかったなあ。
二匹が一緒にいるところを見ると、
ちょっと胸がキュンとなる。
こんな、正ちゃんの尻にミミが頭を突っ込んでるところでもね。
▽
今年のマンガ大賞は、
ヤマザキマリの「テルマエ・ロマエ」だった。
というニュースを夕方読んで、
悔しいー!と思ったのだ。
今週締め切りの週刊文春に、「テルマエ・ロマエ」を取り上げた所だったのだ。
文春が出るのは来週だし、
どう見てもマンガ大賞の発表を見て書いたって感じだよな。
そうじゃないのになー。
まったく、ドンピシャのタイミングだったなあ。
発表が今日だってことすら知らなかったのに。
ぐっすん。
▽
お土産に、浜松名産「うなぎパイ」を貰った。
お馴染みの、「夜のお菓子」だ。
まあ鰻で夜とくれば、どう考えたってあっちのほうなんだけど、
うなぎパイを生産している春華堂のサイトを見てみると、
『一家だんらんのひとときをうなぎパイで過ごしてほしい』という願いを込めてネーミングした
などと寝惚けたことが書いてある。
あまつさえ「勝手な憶測が一人歩きした」とまで書いてあるではないか。
そんなはずがないことは、姉妹品を見ればわかる。
「うなぎパイV.S.O.P.」のキャッチフレーズは、
「真夜中のお菓子」である。
堂々と、「精力増強」と書けばいいのに。
このへん、ちょっと姑息である。
まあいいけどね、ぽりぽり。
▽
2時にインタビューがくるんだけど、撮影もあるんだよな。
仕事場の惨状を赤裸々に写されるのもちょっと罰ゲームっぽいが、
もう今からではどうしようもない。
やっぱり、ありのままを見て貰うのが一番いいよな。
そうそう、そういうことだよ。
▽
高木三四郎がエースを務める
DDTというプロレス団体を後楽園で見た。
いやもう何度も見てるんだけど。
今回は、新日のヒールのエース真壁が、
DDTの時代のエースHARASHIMAと闘う。
真壁はHARASHIMAの、学生時代の先輩だ。
HARASHIMAって、どうもいい試合見た記憶がないんだよな。
今回も、なかなかスイングしてこない。
テンポが途切れる。
真壁とスピードが違うからなんだけど、
それはわかってることだからなあ。
頑張ったのはわかるんだけど、
もうひとつだった。
その点、やっぱり、高木三四郎は偉い。
大日本のエース、関本大介と凄い闘いをやった。
共にパワーファイターなんだけど、
関本はまだ29歳、三四郎は40歳。
その差は大きい。
というよりも、三四郎が年輪でやるプロレスに逃げずに、
差の目立つ真っ向勝負を選んだということだ。
もうなんというか不細工な、
ガツンガツンとぶつかるプロレスだった。
さすがの三四郎もパワーでは分が悪く、
何度もコーナーから飛ぶという荒技に走っていた。
結局、三四郎の負けだったんだけど、
気持ちのいいプロレスだった。
終わってから控室に顔を出したら、
三四郎は、いやー自動車事故みたいでしたと、
焦点の合わない視線で話していた。
かなりきつい闘いだったわけだ。
レスラーはダメージがあるから1ヶ月休みという闘い方ではない。
また明日もいつものように闘うわけだ。
ご苦労さん。
三四郎の闘いは、ちゃんと見たよ。
▽
可愛いキャラの
「リサとガスパール&ペネロペ展」が、来週から始まる。
松屋銀座か。
リサとガスパールの原画が見られるなら、ちょっといきたいな。
▽
新宿の旧コマの向かいに、DDTというプロレス団体が
エビスコ酒場という居酒屋をやっている。
一度顔出そうと思ってたんだけど、
ゆうべたまたま編集と新宿で飯食ったんで、
ついでに寄ってみることにした。
エースの高木三四郎の司会で、
さくらえみと極太あややこと高橋奈苗がトークショーをやってたのだが、
着いたらもうとっくに終わって三四郎もいなかった。
店のドアを明けたら、そこにいる客全員がサーッとこちらを見て、一瞬空気が止まった。
みんなぼくの顔を知っている。
どんだけ濃い客ばっかりなんだ。
あややもさくらえみもTwitterをやってるんで、フォローし合うことにして、
ビール一本飲んで店を出た。
ほんとは大盛りの料理が売りなんだけど、
食後じゃちょっと堪能できなかった。
またいってみよう。
▽
漫画の旧作を、携帯配信することにした。
あの小さい画面で漫画を読むのもどうかと思うんだけど、
けっこうみんな平気なんだよなー。
ではまあやってみるかと、NTTで試してみることにした。
夏前には始まるんじゃないかと思う。
海外も包括契約にするんで、海の向こうにもいくんだけど、
ギャグはむつかしいかもな。
▽
今日は新宿にいってきた。
サザンシアターで、高田笑学校を見てきたのだ。
放送作家の高田文夫さんが主催する、お笑いの会だ。
ロビーで、WiLL編集長の花田紀凱さんと担当にばったり会った。
WiLLはぼくも連載している右翼雑誌だ。
ぼく以外は、右側の人が多いが、面白い雑誌だ。
花田さんは、元週刊文春の編集長で、つきあいは長い。
現週刊文春の編集者の目崎くんと、初対面の秦野邦彦くんと席に着く。
秦野くんは、文筆業者だ。
まず浅草キッドのふたりと松村邦洋が出てきて、前説。
雑談は面白い。
トップバッターは、ガンビーノ小林。
ビートたけしの付き人を11年だかやったという若手だ。
元はかなり悪かったというのを強調するが、そういうのはいっぱいいるからな。
たけしの話だけでやるつもりらしいが、芸になってないので退屈。
すぐ寝てしまった。
続いて、松村。
ひとつひとつのネタは面白いが、2分のネタばかりだ。
それを続けていくのだが、構成する力がなく、退屈。
また寝てしまう。
その後がヤホーで調べてるナイツだったかな。
M-1グランプリで一回戦負けしなかったらやっていたはずのネタ。
20分きっちりやる。
さすがにうまい。
ネタも面白いし話芸もある。
構成がうまくて、客を飽きさせない。
テンポがよくてほれぼれする。
うーん、乗ってるなあ。
その次がマジックのナポレオンズか。
いつものペースで、のらりくらりと面白い。
キャリアだなあ。
でも、最後の首ぐるぐるはあまり回ってなかった。
中入りの後、浅草キッドのふたり。
うーん。
力が入っているのはわかる。
どういうことをやろうとしているのかもわかる。
でも、できていない。
ばたばたしてるだけでテンポが悪く、ネタも面白くない。
過激なことをやろうとしているが、露悪的で悪趣味なだけだ。
そのへんの、見極めができていない。
結局、舞台をどれだけ日常で踏んでいるかの差が出る会だった。
ナイツは、客前で日々演じている。
ナポレオンズもそうだろう。
でも、浅草キッドは、やっていない。
腕がすっかり落ちているのだ。
ふたりが客を意識したことがどれだけあったかな。
たぶん、自分たちのネタのことしか考えていなかったと思う。
ナイツは、時間通りにネタをきっちりとやって、
なおかつ客の反応を見ながら自在にペースを作っていた。
そのへんに、決定的な差がある。
浅草キッドは、トリの器ではなかったな。
テレビだけでなく客に見せるものをこれからもやりたいのなら、精進しなくちゃな。
最後に、高田さんを交えて舞台上でみんなで雑談。
こういうテレビ的なものは、浅草キッドはうまいんだよな。
終わってから楽屋に顔を出し、博士と玉ちゃんの楽屋を覗いた。
今日みんなが話した危ないネタを書かないでくださいねといわれるが、
あんまりそういうものに興味はない。
高田さんにも挨拶して帰る。
今日は、ナイツの日だったな。
▽
今度の本は、久し振りの小説集だ。
「ファイアーキング・カフェ」という。
光文社から、5月ころには出る予定だ。
いや、もう原稿は入ってるんで、きっと出ると思う。
那覇を舞台にした連作集。
那覇というのはどういう人を抱えたどんな街なのかを描いている。
売れるといいなあ。
▽