「1.18」
阪神の大地震から、もう6年経った。
あの日、昼過ぎに起きて、珍しくテレビをつけたら、
なんだか大騒ぎになっていた。
なにがあったんだか、しばらくはわからず、
大きい地震があったんだと知った時には、
なんだか驚くより先に、
フィクションと現実がごっちゃになってしまったようなとまどいがあった。
映画の一場面のようだが、確かに現実の現代の日本で起きている。
これほどのことが本当に起きるとは、思っていなかったのだ。

地震はいつか起きると、いわれてはいた。
それでも、それはいつかずっと先のことのような気がしていた。
テレビの中で、煙を上げている街が現実のことだとは、
どうしても思えなかったのだ。
潰れているビル群が東宝製じゃないとは、とても思えなかったのだ。

しばらくして、ぼくは新幹線に乗って、現地にいってみた。
物見遊山といわれるかもしれないが、
自分の目で見ないと、なにも理解できないと思ったのだ。
自然の力は、圧倒的だった。
倒れた家や、潰れたビル。
燃え残った民家。
点在する焦げた空き地。
あちこち歩いたが、
ぼくはどんな感想も持つことはできず、
手を合わせて帰ってきた。
亡くなったかたた
ちの冥福を祈る。

髪が半端に延びて、うっとおしい。
短くしてると、2週間でそろそろ切ろうかなというくらいになってきて、
3週間だと、もう限界だ。
学生時代、胸まで延ばしてたころには、年に一回くらいしか切らなかったけど、
もうあんな面倒臭いことはできない。
いや、日々の手入れがね。
やっぱり短い髪は、洗ったら洗いっぱなしですごく楽。
風呂から出て3分後にはもう乾いてるからなあ。

ECWが3月のPPVを発表したというのは、
金を集めて、3月を目途に再起を図っているということらしい。
ポールEもしぶといなあ。
ホームページにいってみたら、まだ日程しか発表はされてなくて、
[Living Dangerously]
と表紙にでかでかと出ていた。
インディーはしたたかだ。
所属レスラーたちは、これを機会に廃業するもの、
他団体に移籍を図るもの、ドサを回るものといろいろだ。
フリーはどこの国も大変だよ。
彼らの健闘を祈る。

東京オフ会まで、2週間を切った。
まだずっと先だと思ってたのに、あっという間だなあ。
マンガ夜話も、今回はずいぶん間が空いたと思ってたのに、
そろそろ札幌ライブも近くなった。
時間が経つのは、ほんとに速くて驚いちゃうよな。

ところで、東京オフ会に参加 する人は、
専用掲示板に必ず積極的に書きこみをするようにね。
参加者の多くは初対面という変なオフ会だから、
掲示板で自己紹介して、参加者同士、いちおう馴染みになっておこう。
会場にいってから、ひとりでぼーっとしててもつまらないよ。
参加者は、用意された名札をつけることになっている。
掲示板で名前を覚えておけば、
初対面の緊張も多少はほぐれるというものだ。
オフ会初体験という人が多いみたいだから、
ちょっと慣らしておこう。
以上、業務連絡でした。

ECWは、どうなってるんだろうなあ。
3月のPPVの告知が、HPに出たそうだ。
倒産はトップレスラーからの情報なんで、ガセであるはずはないんだけど。
ひょっとして、減量経営を目指して、レスラーを一度切り捨てるために、
ポールEがガセ情報をレスラーたちに伝えてたりして。
でも、それも不自然だしなあ。
わからん。
まあ、数日中には本当のことがわかるだろう。
WCWの行く先と共に。

ぼくがトイレに入ると、しばらくして正ちゃんがやってくる。
トイレの扉をカリカリと開けて、
ぼくが開けてやらなくても勝手に入ってくる。
うちの扉は、玄関以外はすべて、引き戸なのだ。
正ちゃんは、ぼくが脱いで膝まで下ろしたズボンの中に顔を突っこみ、
しばらく匂いを嗅いだ後で、
よっこらしょとズボンの中に入ってきて、丸くなる。
そのうち、寝てしまう。
こんな感じ。


ちょっと困る。

どうも、ここんとこ、花粉っぽいんだけど、気のせい?
なんとなく鼻がぐすぐすするんだけど、花粉アレルギーと症状が似てるんだよなー。
シーズンじゃないけど、どうもあやしい。
今年は花粉大発生という話もあるが、
こんな寒くても花粉はアレルギー起こすほど飛んでるのかなあ。
どうもいかんぞ。


「1,16」
朝日新聞の夕刊で、砂川しげひさが連載をやっている。
これが、驚異的につまらない。
朝日の夕刊は、ずーっととてつもなくつまらない連載が続いているが、
これも、また例外ではない。
もっとも、新聞連載漫画がつまらないのは、朝日だけではないから、
非難するほどのことではないのかもしれない。
誰が選んでいるのかは知らないが、
才能の尽きた人とない人からしか選んではいけないという
厳しい内規でもあるのかもしれないな。
天才いしいひさいちを朝刊に得られたのは、奇跡に近いことだなあ。
今夜の漫画も、期待を裏切らずに面白くない。
砂川しげひさは、かつて面白かったんだがなあ。

さっき、知らない会社から勧誘メールが来た。
これが、日本語になっていない。
大仁田の文章くらい凄い。
こんなの。
「貴方の会社では国際電話料金が毎月非常に高額なお支払わしていませんか? 」
これじゃあ、いくらメール送っても、誰も信用しないだろうなあ。

日に日に冬になっていく。
ぼくは寒いのは、嫌いではない。
暖かい部屋を出て、冷たい空気の屋外に出ると、
身がしゃっきりと引き締まって、気持ちがいい。
子供のころから、親の方針もあって、ぼくは薄着だった。
高校生のころには、真冬でもランニングシャツにワイシャツに、学生服。
厳寒期には、学生服の下にセーターは着たが、
コートなんてものは、予備校に通うようになって初めて所有した。
それまでは、着用するどころか、持ってもいなかった。

今でも、厚着が苦手だ。
半袖Tシャツに薄いセーター1枚、その上にコート。
それがぼくの冬の格好だ。
どうしても寒い時には、マフラーを巻く。
あるいは、襟付きシャツにカーディガンを着る。
重ね着が嫌いなので、なるべく少ない枚数で済ませたい。
上着の前を閉めるのも好きではないので、
どうしても寒い時とか風の強い時以外は開けたままだ。

それでも、昔に比べれば、ずいぶん寒がりになった。
子供のころは、秋から冬にかけて、着るものがあんまり変わらなかった。
コートを着てマフラーを巻く今は、
考えてみれば脆弱になったものだ。

でも、部屋の中が寒いのは、実は好きではない。
ぼくの実家は 、すごく大きい和風の一軒家なので、
冬にはかなり寒い。
家の中にいても息が白い。
寝ていると洟水が出る。
そういうのは、好きではないのだ。
エアコンをガンガン入れてTシャツでいたりするのも嫌いなのだが、
適度に暖かいのがいい。
今の家を立てる時にも、冬暖かい家を作る、ということをまず考えた。
おかげで今は、まずまず快適かな。

FMWというプロレス団体のスカパーの解説を、時々してるんだけど、
最近採用したマスコットガール3人のうちのひとりに、
どうも見覚えがあるような気がしていたのだ。
彼女たちは、まあアイドルの卵みたいなものなのだが、
次の試合のコールをするだけのために、会場にきているのだ。
そのうちのひとりの女の子の顔に、なんだか見覚えがあった。
小柄な、髪の長い地味な子なのだが、彼女の見事な鼻に、見覚えがあるのだ。
こないだ、試合中にはっと思い出した。
あれは、サラ金のアイフルの、「恋人みたいに」の子だ。
テレビでみると大柄な大人っぽい子に見えるが、
たぶん、まだ少女じゃないかなあ。
女の子はわからないなあ。

WCWが、ビショフ一派に買収された。
アメリカの2大メジャー団体のひとつWCWは、
メディア王テッド・ターナーが98年に買収し、
テレビの重要なコンテンツとして力をいれてきたんだけど、
WWFとの興行戦争と視聴率戦争に敗れ、
身売り話もここ数年ずっと出ていた。
それがついに、
WCWを離れたあとはラスベガスのホテル関係の仕事をしていた
前CEOビショフに、 買収されたらしい。
買ったのは、もちろんビショフ個人ではなく、
複数の資本の入った出資会社だ。

これで、レスラーの大リストラと入れ替えがあるだろう。
残念なのは、パワープラントが閉鎖されるということだ。
WCWの自前のレスラー養成機関だ。
つまり、日本のプロレス団体の道場にあたる。
それがなくなっては、きちんと基礎を身につけた新人がいなくなってしまう。
個人のやってるプロレス学校はあるが、
団体直営の機関があるのとないのとでは、かなり意味が違う。

ECWのレスラーの一部も、ひょっとしたらオーナーのポールEもこみで、
WCWに移るかもしれない。
いや、ECWは独自に再興するという話もあるし、
まだしばらくは、再編がらみで目が離せない。
ドタバタしてるのは、日本のマット界だけじゃないなあ。

週刊宝石の漫画の反応がぜんぜんない。
みんな宝石なんか読んでないのかなあ。
まだ30万部雑誌なのに。
実は、3ページ目の下半分は、寝ながら描いている。
疲れはてて頭は眠ってしまい、 ほとんど意識がないまま描いているのだ。
だいぶ直したけど、線がぐにゃぐにゃだ。
こういうときには、最低限の修正だけして、
面白いからそのまま残すことにしている。
ちょっと見てみて。

来週は、漫画評の締め切りがある。
宝石休刊号だ。
つまり、最後の一冊だ。
いろいろ勝手なことをさせてもらった本だった。
さて、なにを書くかなあ。

ECWの倒産が決まった。
アメリカから連絡があって、今週いっぱいでクローズだそうだ。
アメリカのプロレス第三団体で、
インディーの中では一番メジャーに近い位置までいった。
しばらく前に、ギャラが3週間出てないという話が伝わってきて、
かなり危ないんだなとは思っていたが、
本当に潰れてしまうんだなあ。
ポール・E・デンジャラスリーというプロレスマニアがオーナーの、
敷居が低くて面白い団体だった。
ここで育つとレスラーがメジャーに引き抜かれたりして、
経営的には厳しいものがあったろうなあ。
日本のFMWを意識して作られた団体だったが、
本家のFMWはいろいろあってもなんとか持ちこたえてるんだから、
なんとか頑張って欲しかったなあ。
残念だ。

週アスの原稿で「カメディア」って書いたら、
正しくは「キャメディア」だった。
知らなかったなあ。
ガイジンみたい。

さっきNHKを見てたら、平野勝之が紹介されていた。
アダルトビデオ界では、かなり売れた名前だ。
林由美香とのふたり旅を記録した映画で、一部で話題になった。
彼は、うちのアシスタントに応募してきたことがある。
応募原稿を見たら、すでに自分の世界ができていたので、
別にアシスタントなんかする必要ないじゃないか、と思って
雇わなかった。
案の定、しばらくすると名前を聞き始め、
AVにおさまらない才能を見せた。
漫画も、「ゲバルト人魚」を出している。
どこかで探してみて。


久し振りに、今週号の週刊宝石で漫画を描いている。
4ページだけど。

今日の東京は、雨。
どこにも出かけずに、終日家で仕事。
あんまりはかどらない。
特にさぼってたわけでもないのになあ。
子供のころ、家で勉強してると、さっぱり進んでないのに、
時間ばっかり経ってることがあったけど、
あんな感じかな。
仕事場は2階にあるので、屋根に当たる雨の音が大きく聞こえる。
さて、もうひと仕事。

FLASHがインタビューにきた。
こないだきた新潮5は、裁判の話を聞いてったけど、
今回のFLASHは、漫画のテレビドラマ化についてだ。
一般的にいって、漫画家はテレビ化なんて、ぜんぜん意識してない。
それで単行本が売れるケースもあんまりない。
というような話をしたんだけど、
ぼくは自分の漫画がテレビや映画になったことはないんだよな。
話は何度かあったけど、実現はしなかった。
こういう話は、千三つというくらいで、話だけはいっぱいくるもんだ。
一番実現しそうだったのは、「東京物語」だ。
主役は、ホリプロタレントキャラバンの優勝者というところまで決まっていた。
これも実現しなかったけどね。

「1.10」
なかなか目が治らない。
相変わらず腫れが引かなくて、なんだか象みたいな目になっている。
涙っぽくて、目も疲れやすい。
もう4日も経つのになあ。

こないだ買ったホーキンスを履いて出かけたら、
雪をちょっと踏んで歩いただけで、すっかり水漏れして、
靴下がぐっしょりだ。
まだ何回も履いてないのに。
不良品なのか、それともホーキンスは水に弱いのか、
どっちなんだろうなあ。
別に水中を歩きたいわけじゃないんだけどね。
雨の日に履けないんじゃ、靴じゃないよな。

篠原演芸場にいってきた。
いやー、久し振りのドサ劇団だったんで、結構楽しめた。
ぼくはもう1数年前から、浅草や新世界の劇場によくいっていたんだけど、
ここ2,3年は、ちょっとご無沙汰だった。
ちょっと懐かしい気分になった。

今日見にいったのは、旗丈司座長の「演美座」だ。
新春公演で、昼夜2公演の最終日だったのだが、
座長の死んだ兄の娘が、20歳になったのを機会に
〈深水つかさ〉という名前を名乗ることになり、
その祝いをかねている。
ぼくが今まで見た中では、もっとも現金の乱れ飛ぶ公演だった。
深水つかさは、着物に一万円の札束を張りつけて踊っていた。
なかなかの壮観だったなあ。
ちょっと太目だけどコケティッシュで、姿勢がいいから踊りも美しかったし、
声が印象に残るいい声質だ。
これから彼女がもう一方の看板になるだろうなあ。
∇東京は、雪だ。
夕方から降り始めて、夜には積もってきた。
天気予報では、午前3時くらいまで降り続けるだろうという。
明日は朝から十条にいかなくちゃいけないのになあ。
さっき、電話がかかってきて雪が凄いというので、ベランダの窓を開けて、外を見ていた。
それから1時間くらいして、どこかで正ちゃんが鳴いているので、
どこにいるのかなあ、と耳を澄ませた。
あ……、ベランダか!?
慌てて窓を開けたら、やっぱり雪に濡れて、正ちゃんはベランダにいた。
タオルで拭いてやって、ヒーターの前に座らせたけど、
あんまり震えてる様子もない。
案外猫も、寒さには強いなあ。
すまんすまん。

FMWの新春興行にいってきた。
また解説席に座ったのだが、年末進行で2度ほど出てなかった間に、
ずいぶんいろんなことがあった。
ゴエモンと怨霊の間で、呪いのベルトの争奪というか押し付け合いがあったのだが、
負け続けたゴエモンは体がどんどん弱っていって、
ついに死んでしまったのだ。
しかし、次の回に、なんの説明もなくゴエモンは復活し、
なんと怨霊とタッグを組んでいたのだ。

今日は、そのゴエモン・怨霊タッグが、保坂・佐々木とセミファイナルで、
WEWハードコアタッグ選手権試合を闘った。
ずっと地味だった中川ことゴエモンも、やっと陽が当たってきた。
怨霊とは、なかなか手が合って、いいタッグぶりだった。
そして、ついに、ゴエモンと怨霊は保坂・佐々木を破り、
チャンピオンになってしまったのだ。
快挙だなあ。

その他、黒田が冬木を裏切って「チーム黒田」を立ち上げたり、
いろいろあった。
という模様を、新サイバーショットで撮ってきたんでアップしようと思ってたんだけど、
USBケーブルが見当たらない。
明日、ケーブルを買ってきてからアップします。

明日締め切りの原稿を、どうも思いつかない。
なにを描いていいのか、よくわからないのだ。
新年最初は、いつもこうだ。
大して休んだわけじゃないのに、なんとなく気持ちが緩んでるんだな。
また引き締めないとなあ。

篠原演芸場の取材にいってくる。
ここは、いわゆる大衆演劇というか、ドサ回り劇団の常打ち小屋だ。
ぼくは昔から、よくドサは見にいく。
でも、いつもは浅草か大阪で、篠原演芸場は初めて。
十条にあるんだけど、8日まで新春公演で、昼夜2回やっている。
ぼくは、8日の12時半の昼の部にいくつもり。
近所のオバサンが出てきやすい時間なんじゃないかな。
篠原演芸場も初めてだが、新春公演も初めてだ。
普段の公演より、華やかなのかな。
ちょっと楽しみ。
十条近辺の人は、篠原演芸場で会いましょう。
そんなには近所にいないと思うけど。

4日の昼に目覚めたら、目が腫れていた。
目がというか、正確には、瞼が腫れていたのだ。
なんだか泣き明かした朝のように、瞼がいつもの3倍くらいになっていて、
目が開けられない。
なんとか冷やして、新幹線に乗って帰ってきて、
まあひと晩寝たら治るだろうと思っていたのだが、
さっぱり回復しない。
3日の夜に、実家のガスファンヒーターの前に寝転んで本を読んでいたので、
あの風が目玉を乾かしてしまったのかもしれない。
ちょうど、雪目になった時のような感じだ。
目薬はさしてるんだけど、
どうも外出しにくいなあ。

大晦日に、新幹線で実家に帰った。
28日まで世間の人が仕事をしていたせいか、
なんだか混んでいる。
仕方なく、空いてたひかりのグリーンに乗る。
近所の寺に鐘を撞きにいった。
11時45分ころ家を出て、深夜の凍える道を、寺に急ぐ。
洞泉寺というのが、その寺の名前だ。
もうずーっと長い間、ぼくは大晦日はここで鐘を撞いて新年を迎えている。
5分で洞泉寺に着く。
山門を、やはり鐘を撞きにきた人たちが、ぞろぞろと入っていく。
鐘楼の前の列は、まだ15人くらいだ。
みんな一回鐘を撞いて、次の人と交替する。
鐘楼の上で檀家代表が、ひとりにひとつずつ、なにかをくれる。
例年はミカンをひとつだったりするのだが、今年はなぜかポケットティッシュだった。

ぼくの番がきたので、今年のお礼と来年の抱負を胸の中で呟き、
太い綱を握る。
思い切り綱を降ると、撞木が大きな鐘を撞いて、
ゴーンとあたりに響きわたる音がする。
鐘楼を降りて、脇のテントに入る。
檀家から何人か出て、ぜんざいを振る舞っている。
ぼくも一杯もらう。
小さく切った餅が入っている。
時計を見ると、まだ12時には数分ある。
本堂の前に、毎年大きな焚き火が焚いてある。
みんななんとなく、手を伸ばして火に当たっている。

12時なった。
みんな携帯電話を持っていて、新年の挨拶をしようとするのだが、
混んでるらしく、携帯が通じない。
ぼくは喪中なので、ほんとは初詣にはいかないことになっているのだが、
きっとうちの母親は気にしないだろうと、
お寺の本堂に向かい、賽銭を放り込み、また去年のお礼と今年の抱負を述べる。
みんな幸せに暮らせますように。
寺を出ると、まだ鐘楼からは鐘の音が続いていた。
この寺では、希望者には全員鐘を撞かせている。
だから、きっと200か300くらいは撞いてるだろうな。
煩悩がたくさん消えてよろしい。

さて、年が明けた。
2001年1月1日、新しい世紀、21世紀だ。
ぼくは朝まで本を読んでいたので、起きたらもう12時だった。
天気は、あまりよくない。
部屋の中が寒い。
吉祥寺の家は暖かい構造にしてあるので、寒い家はこたえる。
今年からは、母親のいない正月だ。
つまり、おせちがない。
父親が、お雑煮を作ってくれる。
あんなに家ではぐうたらだった父親が、母親が死んだら、
案外まめに家事をやっている。
朝食と昼食は、自分で作っているし、掃除と洗濯もやっている。
でも、雑煮は、正直言ってまずかった。
夜は俺が作ろうと決心する。
おせちは、買ったものと、近くに住む妹からの差し入れとで、
なんとか形にはなっている。
ふと気づいたら、天皇杯がほとんど終わっていた。
悔しい。

妹一家が挨拶にくる。
全員でここ1か月ほど、じゅんぐりに風邪をひいていて、
今は妹が咳が止まらずに苦しんでいる。
元は、娘が幼稚園で拾ってきたらしい。
妹と姪に、お年玉をやる。
兄弟が少ないと、お年玉も少ない。
分厚い正月の新聞を読んでいると、すぐ夜になる。
雑煮は俺が作るから、と父親を横に立たせて、
おすましの作りかたを教える。
塩をひとつまみ、香りつけに醤油も一滴入れる。
具は、蒲鉾と小松菜とえのき。
おせちと雑煮で晩飯、餅はふたつ。
雑煮は何日食べても飽きない。

2日は、母方の親戚が、母の実家に集まる日だ。
数十人が終結するので、跡取りの嫁は大変だ。
祖母は、来月で90歳になる。
祖母の相談相手だった長女の母のほうが、先に死んでしまった。
最近足がちょっと弱ってきて、運動不足で太り始めている。
この集まりは、祖母がシンボルだ。
みんな忙しくても用事があっても、
1月2日には、祖母の顔を見にやってくる。
料理がテーブルに並び、酒が少し出る。
なぜ少しなのかというと、祖母の一族は、あまり酒を飲まないのだ。
夜まで親戚一族を旧交をあたためて、帰宅。

3日は、晴れたり雪が少し降ったり、妙な天気だ。
ずっと今で床に座っていたら、膝がおかしくなってきbので、
応接間のソファに腰掛け、終日本を読む。
この3が日で、
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド(上・下)」と、
「墨東奇譚」を読んだ。
「墨」にはサンズイがつくんだけど、文字がない。
後者は、ものすごく久し振りなせいか、なにも覚えてはいなかった。
ぼくはだいたい、なにを読んでもすぐ忘れる。

4日は、10時に起きる予定が、目が覚めたら12時だった。
急いで父親の作った朝飯を食べて、豊田市駅から名古屋へ。
4日じゃ、まだ新幹線も混んでいる。
窓口で空いてる席を探してもらい、名古屋発のこだまのグリーンで帰る。
のぞみなら1時間半なのに、こだまじゃ3時間だ。
吉祥寺に着いたのは、6時過ぎ。
帰る途中にあるDISK-INNで、
なんとなくサヴォイ時代のチャーリー・パーカーの2枚組を買って帰る。
正ちゃんは甘えんぼになっていて、
ニャーニャーと鳴いて膝に乗ってくる。

また、新しい毎日が始まる。
今年は、新しいことを始めたい。

それにしても、長州はヒクソンには勝てないなあ。
受けが体に染みつきすぎだ。

[1.4]
今年は、ぼくの人生にも、いろいろあった年だった。
楽しいこともあったが、悲しいこともあった。
全部チャラにして、また来年だ。
このHPは、2001年1月4日の夜から再開します。
では、また来世紀に会いましょう。




ものすごく久し振りに、テレビドラマを見た。
「三億円事件」だ。
ビートたけしは、凄い存在感になった。
出てきて最初のひとことで、演技力というか、
役に対する理解度が段違いなのがわかる。
彼が一人出ていると、ほかのヘボい役者がうっとうしい。
若い連中はまだ仕方がないけど、
渡部篤郎の変な演技は、邪魔なだけだ。
活舌が悪くてよく聞き取れないし、声優がよくやる手軽な演技に逃げてて、
ちょっとやだったなあ。
まあテレビだから、熟成度が低くても仕方ないんだけど。
たけしは、ギャグメーカーとしてはとっくに終わったが、
代わりに演技者としての力を持った。
やっぱり、すごい存在だなあ。
絵の才能はぜんぜんないと思うんだけどね。

しかし、3億円って、当時はとてつもない金額だったなあ。
今、30億円とかいっても見当がつくけど、
あのころ3億円って、実際には存在しない想像上の金額だった。
それが盗まれたっていうんだから、
みんな腰を抜かした。
今でも、府中刑務所の長く続く壁の横を車で走るたび、
ここであの事件があったのか、と思う。

さっ駅前まで出て、蕎麦を食って、ついでに注連飾りを買ってきた。
街は、なんだかざわついてる。
昨日だって今日だって、同じ一日なのに、
今日は街を歩く人が、落ち着かない。
もう1日半で、新しい世紀だ。
新しいミレニアムは去年からだったらしいが、新しい世紀は明日からだ。
みんな、この世紀、いい100年だったのかな。
さて、仕事場の片づけの続きだ。
洗濯もしたし、あと今日やることは、正ちゃんの飯を出してやるくらいだ。

さすがに年末も押し詰まってくると、メールも少ない。
みんな実家に帰ったり旅行にいったりしてるのかな。
ぼくは、31日にちょっと帰る。
4日までいて、それから沼津に寄って、漫画家の西風と遊んでくる。
ずいぶん久し振りだ。

仕事場の片づけをしようと、今日は昼からずっと頑張ってたんだけど、
あんまりせいかがない。
いや、ないわけじゃないんだけど、成果が見えない。
実はかなり片づいてるんだけど、
あんまりわからない。
でも、本格的に片づけるための、前提条件が、やっと整ってきた。

本棚を、ありものじゃなくて、注文で作ったので、
寸法が微妙にうまくない。
一番多い種類の本より、1ミリ狭くて、スペースがすごく無駄になる。
うー、悔しい。
もう1ミリ広ければ、もう2段増やせるのに、
無駄な空間がかなりできてしまう。
でもまあ、とりあえず、どんどん詰める。
本棚が片づけば、ほかのものが動かせる。
さあ、明日はいよいよ床の片づけだ。
美しい部屋で、新年を迎えるぞ。
でも、ほかの部屋は、散らかったままなんだけどね。
そっちは来年かなあ。
ああ、気が重い。

「12.30」
今年最後の忘年会にいってきた。
元はSF関係者の集まりだったのだが、
今ではなんだかわからない集団になっている。
吉祥寺のトルコ料理屋で、20人ちょっとの会だった。
漫画家イラストレーター編集者ライター、その他AV監督やら
ゲーム会社社員やら、パチンコ屋経営者やら、インテリアデザイナーやら、
一見年齢職業不詳風ばかり、大量に集まった。
知りあいが本上まなみを連れてきたんで、
しばらく話したんだけど、ものすごく細い。
ちょっと痩せすぎだ。
名刺代わりに恥ずかしがりながら、テレカをくれた。

料理は、ちょっと少なくて、味も大したことはなかった。
トルコビールとトルコワインは、なんてこともなかった。
やや期待外れだったかな。
終わってから、二次会にいくみんなと別れて、
仲のいい編集者とふたりで、ハモニカキッチンで軽く食べた。
オーナー夫妻もきていて、12時までの営業時間のはずなのに、
そんな気配もない。
やっぱり、知りあいのいる店はいいよな。
これで、年末の行事はみんな終わった。
あとは、掃除と片づけ。
大晦日に実家に向かい、一人になってしまった父親と新年を迎える。
来年がいい年でありますように。

東京オフ会は、あさってで締め切る。
まあ今回も前回くらいの人数に落ち着きそうで、よかったよかった。
オフ会というのはなんであるのかという問い合わせも時々くるけど、
まあ大雑把にいって、ファンが集まって騒ぐだけだよ。
東京までいけないから、 うちのほうでもやってくれという地方からの要望が増えた。
でも、オフ会は、ぼくが主催してぼくが募集して会場を手配してるわけじゃないんだ。
誰かが手を上げて、その人が中心になって、
以後の進行を担当するんだ。
もちろんぼくも協力はするけどね。

講談社の忘年会にいってきた。
あさっても、内輪の忘年会があるんで、今年は3つ出ることになる。
こんなにたくさん出るのも、久し振りだ。
講談社は、昨日のアスキーの忘年会とは、金のかけかたが違う。
可愛いアイドル総出演で、華やかでもある。
今日は、13等くらいまである豪華な抽選会で、
大したことないプーチが当たった。
編集者と中山エミリが司会をやっていて、
当たった人とは、中山エミリが全員握手してたのに、
なぜかぼくだけ握手してくれなかったなあ。

プーチを手にして舞台を降りてきたら、
舞台の真ん前にいた子供が、
自分が当てたアイドルのサイン入りポスターと交換してくれというので、
特にプーチが欲しかったわけでもないので、交換じゃなくてもやるよと、と渡したら、
その子供は、「北斗の拳」の原哲夫の子供だった。
奥さんとふたりに挨拶されたんだけど、
実は原家は、うちのすぐ近所。
おまけに、奥さんがぼくのファンだそうで、
ずっと話しかける機会を窺ってたら、子供にプーチをくれたので、
これ幸いとやってきたらしい。
しかし、ついこないだマンガ夜話でさんざんネタにしたばっかりだったけど、
原哲夫は怒ってなかったかな。

会場で会った東映アニメの知りあいと話していたら、
現在撮っている「ワンピース」の声優をやらないかという。
少年ジャンプのワンピースだ。
でも、日程を聞いたら、アフレコの日には、札幌でライブをやっている。
それで断ったら、じゃあその数日前に短編のアフレコをやるから、
それに出ないかという。
劇場公開版には、長編のほかに、ミュージックビデオみたいなテイストの、
お遊びで作った5分くらいの短編がつくらしい。
それに、1シーン声を入れないかというのだ。
まあたまには変ったこともいいかな、と引き受けた。
まだ具体的なことは決まってないが、
ほんとに出ることになるかも。

久し振りに、弘兼憲史と話した。
さて、どんな反応があるかな、と思ったら、
特別のこともなかった。
まあ大人の対応というところかな。

2次会はいかずに帰って仕事をしようと思ったら、
まんがの森という書店チェーンの責任者のOが、
ちょっとお茶でも飲まないかというので、
じゃあそのへんで、ということになって、
エスカレーターに乗ったら、1階分下に中山エミリが乗っていた。
ふと上を見て、ぼくと目が合ったら、ぺこりと頭を下げた。
舞台上で一瞬顔を合わせただけなのに、結構覚えてるもんだなあ。

年末の銀座界隈は大混雑で、カフェはどこもいっぱい。
パブでビールを飲みながら、漫画界の噂話などしつつ、
適当な時間で切り上げて帰った。
さあて、そろそろ仕事しよ。

[12.28]
今日は、週アスの忘年会にいってきた。
クリスマスパーティといっていたが、単に社員の忘年会だった。
ぼくがなんのためにいったのかというと、
催眠ショーを見にいったのだ。
新担当の南條が催眠を受けるというので、それを見学にいったのだ。

会場にいったら、南條はいなかった。
前催眠を受けていたらしい。
こういう場合の催眠は、先に暗示を丁寧にかけておく。
それから客前に出るのだ。
きょうは、編集の女の子3人と、
週アスがやっているネットアイドル4人が参加した。
もう数人、前催眠はかけたのだが、
うまくかからなかったので、除外したらしい。

7人がぞろぞろと出てきた。
南條の目は、既に怪しい。
テレビにも出ているという長髪の催眠術師の合図で、
全員がゆらゆらと揺れ出す。
それから、体を重くしたり軽くしたり、
楽しくしたり悲しくしたり、
いろいろ暗示をかけるのだが、ネットアイドル4人がかかりが悪い。
時間がなくて、この4人はあんまり丁寧に前催眠がかけられなかったらしい。
仕方なく、途中退場。
反対に、すごくかかりやすかったのが、新担当南條だ。
となりの女の子に、力が抜けてくる、と暗示をかけていると、
もう南條はぐらぐらし始める。
もらいがかりしてるのだ。
手間のかからないやつである。

音楽をかけると、踊りだしてしまうと暗示をかけると、
南條はなぜかボックスを踏み始める。
あとのふたりは、行進してるやつと、ちょっと揺れてるやつ。
南條は、困った顔で、ひたすらボックスを踏み続ける。
本人は踊るつもりはないらしい。
今度は、レモンを甘くする。
みんな美味しそうにレモンを囓っているが、
催眠術師が声をかけると、いきなりレモンの味に戻って顔をしかめる。
次は、缶コーヒーを飲ませて、ほかの味にする。
腕を曲がらないようにしたり、名前を忘れさせたり、壁にくっつけたり、
いろいろあって、なかなか盛り上がって、ショーは終わった。

さて、お楽しみはこれからだ。
ぼくは、編集3人の事情聴取にかかった。
催眠には、本当にかかってたのか。
これは、どうやらほんとだったらしい。
浅い深いはあったものの、催眠は効くということは、確かなようだ。
では、個別の催眠は、どのくらい効いていたのか。
壁には、ほんとにくっついたそうだ。
名前も、ほんとに忘れた。
レモンはほんとに甘かった。
でも、缶コーヒーの味は、変わらなかった。
変わらないっていっちゃうと悪いかなと思って、と彼女らはいうのだ。
それから、音楽を聞いても、踊り出したくはならなかった。
すると、南條がいったのだ。

「え……、踊りたくならなかったの!?」
どうも、南條だけが、ほんとに踊っていたらしい。
というか、ボックスを踏んでいたらしい。
だってみんな踊ってたじゃない、と南條が抗議すると、
ほかのふたりは、困ったような表情で、顔を見合わせた。
「だって、南條さんが踊ってるし、踊らないと悪いかなと思って……」
やっぱり、催眠の効き方には、個人差があるようである。

ジャンケン大会でビートルズの「1」を当てて、
ぼくは家路についたのだった。

昨日書いたPRIDEの件で、かなりの反応があった。
多くは賛同の意見だが、
そうでないものもある。
別にそれは構わないんだけど、
とにかくぼくは、我慢をしなくなった客には、ショックを受けた。
座して待っていては得られないものもあると思うんだがなあ。

今日、PRIDEで、事件があった。
大きな事件だった。
PRIDEにというよりも、日本の格闘技に大きい影響を与える事件だった。

PRIDE12は、最低だった。
興行が、ではない。
客が最低だった。
PRIDEが最低の客しか持ち得てはいなかったということが、
あからさまになってしまったのだ。

団体が大きくなっていく時には、観客もまた、成長していく。
かつてUWFという概念が現れた時、
暗い後楽園ホールの客席で、観客もまたリング上に目を凝らし、
レスラーたちといっしょに大きくなっていった。
修斗を見にいった時に、主な客であるストリート系の服装をした若い連中が、
格闘技の知識を持っているのに驚いた。
かなり高度な技術を駆使しているリング上の攻防に、
きちんと反応しているのに驚いたのだ。
PRIDEには、それがなかった。

今日の客はちょっと変だ、と最初から感じてはいた。
汚いヤジが多い。
それも、リング上で行われていることが理解できずに飛ばすヤジが多かった。
グラウンドというものが、わからないのだ。

総合格闘技と呼ばれるものの内容は、
ごく大雑把にいって、立ち技と寝技とに分けられる。
立ち技というのは、立って行われる殴る蹴るという種類の闘いで、
寝技というのは、関節技に代表される、リング上に寝転んでの攻防だ。
はっきりいって、立ち技のほうが、わかりやすいし、見た目も面白い。
K-1が受けているのもそこだし、
リングスがKOKという立ち技に有利になる新ルールで客を増やしているのも、
同じ理由だ。

第二試合第三試合と、何度もグラウンドで膠着状態に入り、
見た目に地味な試合になった。
それは、仕方のないことだ。
レフェリーは「アクション!」と声をかけ、
アグレッシブなファイトを促す。
ヤジが、だんだん多くなり、汚くなってきた。
多くは、「立たせろ!」というものだった。
「寝てるんじゃねーよ!」という類のものだった。

PRIDEは、K-1のような、立ち技限定のルールではない。
もちろん、グラウンドでのポジションの取り合い、関節の取り合い、
そういうものも、含まれているのだ。
アマレスやサンボ出身の選手は、
ボクシングやキック、空手出身の選手の打撃をかいくぐり、
タックルからグラウンドに持ちこんで、関節を極める、
あるいは、マウントポジションを取って打撃を加える。
そういう闘いをするために、みんな苦しいトレーニングを積んできているのだ。
それなのに、客は、選手がグラウンドに入った途端、
「あーあ」とあからさまな落胆の声を上げ、
「てめーら休んでんじゃねー!」とか、
「俺達はそんなもの見にきたんじゃねーんだよっ!」とか、
大声でヤジを飛ばすようになってきた。
レフェリーにも、「あいつらなんにもしてねーじゃねーかよ!」 とか、
「早く立たせろ!」とか、罵声を浴びせるようになってきた。

試合は進み、いくつもいい試合はあった。
それなのに、多くの客は、グラウンドに入った途端、大声を上げるようになってきた。
ボブチャンチン×マーク・ケァーという、この日一番楽しみだった試合も、
ケァーがボブチャンチンを引き倒した途端、
館内を揺るがす大ブーイングが起きた。
一度だけではない。
つまり、グラウンドになれば必ずだ。
倒れてポジションの取り合いになった途端、
選手とレフェリーに罵声が飛び交い、立った途端、歓声に変わる。
楽しいヤジではない。
汚い、他人を罵るだけのヤジだ。
ケァーがボブチャンチンのマウントを取り、ボブチャンチンがガードを取った瞬間、
レフェリーを替えろとか、立たせろとか、休むなとか、
面白くないとか、退屈だとか、
あらゆる種類の罵声とブーイングが飛び交う。
選手が闘っている最中でも、客同士話をしているし、
平気でトイレに立ったり飲み物を買いにいったりする。
電話をしているものもいる。

あまりにも多くのヤジが飛ぶので、
選手も緊張感が切れ、だらだらとした展開になっていく。
レフェリーはヤジを意識し出し、
無視して強情にグラウンドの選手にブレイクをかけなかったり、
あるいは「アクション」の声を増やし、イエローカードを乱発し、
アグレッシブなファイトを促す。

ぼくは最初は腹を立て、途中からは、もう茫然とするばかりだった。
誰だって、楽しいものを見たい。
それは、当然だ。
しかし、楽しい部分だけしか見たくないというのは、
あまりにも自分勝手ではないのか。
わかりやすい立ち技しかやるなと当然のように要求するのは、
どこか間違っているのではないのか。

団体の意向を受けてのことだと思うが、
レフェリーは「アクション」を連発しすぎた。
膠着状態に入った途端レフェリーが「アクション」をかけると、
まるでグラウンドが怠けていることのように聞こえる。
今回のPRIDE興行にきていた一部のたちの悪い客の自分勝手なヤジと、
そのアクションの声とが相乗効果を生んでしまい、
格闘技を見慣れていない新参客は、
自分たちの判断が正しいと誤解してしまったのだと思う。
たちの悪い客の扇動に乗って、
ヤジを飛ばし始め、ブーイングを投げるようになってしまったのだ。

PRIDEは、ずっと客が入っていなかった。
それが、桜庭のブレイクで、あっという間に客が増えた。
徐々に、団体の成長と共に成長していく客を持てなかったのだ。
各種媒体で目にする、今が流行りの桜庭を見にきただけで、
技術の高いレベルでの攻防や、戦術を見たいわけではない。
ただ、盛大に殴り合って、KOするのを見たいだけなのだ。
自分にわかる楽しみだけを提供してほしいだけなのだ。

みんな、我慢をしなくなってきている。
今、苦労せずにほしいものを手に入れたいと思っている。
「おいしい」ものを楽に手にしたいと思っているのだ。
勉強しないと理解できないグラウンドの攻防ではなく、
見ればわかる立ち技だけが見たいのだ。
ずっと、そうだったのだ。
今回は、たまたま一部のたちの悪い客の扇動によって、
それが表に出てしまっただけなのだ。

これから、PRIDEはどうするんだろう。
KOKのように、立ち技を極端に有利にしていくか、
あるいは、客を教育するかだ。
後者は、今となってはもう無理だろう。
となると、客の低いレベルに迎合して、立ち技系に移行 していくしかない。
それでは、格闘技としてのPRIDEの未来はどうなってしまうのだ。
まあ、ひょっとすると、PRIDEには最初から、
格闘技をやっているという意識はないのかもしれない。
リングスが苦労して発掘して育てた選手を引き抜いていることでもわかるように、
「興行」としてしか、考えていなかったのかもしれない。
それならそれで、構わないんだけど、
たぶん、この現象はほかのメジャー団体にも拡がっていくだろう。
はたして、みんなどうするのか。
ちょっと気になる 。

格闘技のことだけではなく、
我慢のきかなくなった若者は、この先どうなるんだろう。
出版界を見ていても、楽をしたがる客に、
どんどん迎合してきている。
考えなくてはわからない企画は、通らなくなってきた。
ぼくの本業の漫画でも、
ある程度の知識やインテリジェンスの要る ストーリーギャグは、
誰も読まなくなって絶滅してしまった。
みんな、目先の楽なことだけを追って、人生送っていくのか。
はたしてこの先、日本は大丈夫なのか。
と暗澹とした気分で埼京線に乗ったのだった。

「12.26」
新宿ヨドバシカメラで、デジカメを買った。
ファインピックスかイクシかサイバーショットか、
悩んだんだよなー。
値段的には、サイバーショットのDSC-P1が、7万9800円、
ファインピックスの4700が、6万9800円、
イクシはいくらだっけな。
ただ、これは本体だけの値段だ。
ファインピックスなら、既にスマートメディアもフラッシュパスがあるんで、
本体だけ買えばいい。
でも、サイバーショットだと、メモリースティックを買わなくちゃいけないんで、
1万2800円高くなる。

うーん、悩む。
画質はどっちも綺麗なんだけど、
かなり違うとこがある。
サイバーショットの方が、電池が保つことだ。
イクシは、画素数がちょっと低い。
カタログデータだと軽いはずなのに、 持った時に持ち重りする。
さんざん悩んで、結局買ったのは、
サイバーショットだ。
やっぱりカッコいいもんなー。

税込みで、10万円弱。
こんな高いもの買う予定じゃなかったのに、ほんとに高いなあ。
USBでデータを移すのが、ちょっと面倒臭い。
今使ってるスマートメディアも流用できないし、
ぜんぜん効率的じゃない選択なんだけど、
欲しかったんだもん、しょうがないよなー。

「12.23」
昨日は蟹も食べたが、南瓜も食べた。
寝る前には、柚子湯にも入った。
不船に柚子を浮かべて、ほのかな柑橘系の香りを楽しみつつ、
朝刊を読んだ。
正ちゃんが入ってきたので、水をやった。
湯船に正ちゃんは上がってきて、
くんくんと匂うを嗅いだ。
正ちゃんは柑橘類が大嫌いだ。
でも、柚子はそんなに香りがきつくないらしく、
湯船のお湯を少し飲んでいった。
ところで、湯船に浮かべた柚子は、もう使えないのかな。

金沢の「ももや」から、今年も蟹をもらった。
毎年、近所の友人ちで茹でて食べることにしている。
ひとりで食べきれる量じゃないんで、
そこの4人家族といっしょに食べている。
美味い蟹は美味いなあ。
いい香りで、甘みがある。
指先が殻で傷だらけになってしまったが、
こういう傷は苦にならない。
現金なもんだ。

明日は、週アスの取材をかねて、新宿でデジカメを買う。
取材用の小さくて軽いカメラを買おうと、前から思ってたんだ。
でも、まだなにを買うか決めてない。
明日、店で現物を手に取ってから決めよう。
もちろん、いくつか条件を満たす候補はあるんだけどね。
サイバー・ショット、イクシ、ファインピックスなんかが候補だけど、
ほかにもいいものがあったら、そちらにしちゃうかも。
買い物は楽しいなあ。
帰りに、ABCで靴も買おう。
でも、早く帰って仕事しなくちゃ。
年末進行も、最後の追い込みだ。

舌の先に、ぽつりとなにかできて、
飯を食ってもお茶を飲んでも、ちょっと痛い。
まったくもう、早く年末進行が終わらないかなあ。

〈 BOL 〉に、やっと「鉄槌!が入荷したようだ。
さあ、今がチャンスだぞ!

陶芸の取材にいってきた。
多磨霊園駅近くにある花峰陶芸クラブという始めてのとこに、
他流試合にいってきたのだ。
大きめの醤油差しというか小さめの酒器というか、
そんなものを作って、ちょっと削りを入れてみた。
知らないとこにいって土捻るのは、なかなか面白い。
終わってからごちそうになったりして、
オマケまでついていた。
それにしても、吉祥寺駅周辺は混雑してたなあ。
家から甲州街道まで車で出るのに、1時間近くかかってしまった。

花峰陶芸クラブには、綺麗な猫がいた。
アメショーと日本猫の雑種で、顔は日本風、体はガイジンだ。
8キロもある大猫なのに、そんなにデブには見えない。
うちのゲロ助は、5キロちょっとでもうデブなんだよなー。
やっぱり、ガイジンが入ってると、体格が大きい。

正ちゃんは、ぼくが歯を磨いていると、水を飲みにくる。
コップに水を入れてやってると、早く飲もうとして、
まだ水を入れてる最中に、もう顔を突っ込んでくる。
こんな風に。

ちょっと頭悪いかもしれないなあ。


本の雑誌が見つからないという声が多いので、
内容を若干教えよう。
「鉄槌!」を読んだ人なら知ってるだろうが、
ぼくは、渡辺泰彦という弁護士に良いようにやられて、
200万の着手金をふんだくられた。
この渡辺は、ほんとに悪徳弁護士だったのだ。
木村晋介によれば、ほかにもいろいろ悪事をくりかえしていたらしい。
おまけに、ぼくが起こされた100万円払えという裁判の着手金は、
決まりでは、10万円らしい。
ぼくは、渡辺に、200万も払ったのだ。
渡辺ー、出てこーい!

週刊プレイボーイの正月号のイラストを描いた。
今週は、週刊宝石の正月号の漫画もある。
日刊スポーツ3週分と読売新聞と週刊アスキーが2本。
今週中にこれを越せば、なんとか今年の年末進行も終わりだ。
まったく、今年もよく働いた。
来年は、うーん、どうなるかなあ。
ちょっと、まだなんともいえない

「12.21」
驚いたニュースが、ふたつあった。
前田日明がアメリカで逮捕されたことと、
如月小春が死んだことだ。

前田は、アメリカにいってて、リングスの社員の女性を蹴って、
腰骨にヒビが入る怪我を負わせたとして逮捕され、
その後、日本とアメリカとをいききして裁判を受けているらしい。
もういい加減、周りが甘やかすのをやめないとなあ。
自分が社会的責任のある大人だということに、
自分で気づかないと、こういう愚行はやめないかもしれないなあ。
アキラ兄さんとかいって、愚行を愛すべきこととして褒め称えるプロレスマスコミも、
ちょっと幼すぎる。

如月小春は、面識もないし、芝居も見たことがないが、
実は同じマンションにいた。
今の家の前に住んでいたマンションで、ぼくは4階で、彼女は3階だった。
1階には、高名な詩人もいた。
なんだか偏りのあるマンションだったのだ。
郵便受けが近かったので、名前だけはいつも見ていた。
ちょっと老け顔なので、もっと年かと思っていたら、まだ44歳だった。
若すぎるなあ。
冥福を祈る。

今日、寝てたら、ペンキ屋が営業にきた。
壁の塗り替えの予定はありませんか、というのだが、
去年建てたばっかりで、もう塗り替えが必要じゃ困るだろ。
見ればまだ新しいのもわかりそうなもんだがなあ。

最近、正ちゃんがフトンの中に入ってくるようになった。
うちはどこにいてもそう寒くはない構造なので、
あんまりフトンの中で寝るのは、正ちゃんは好きではない。
去年の冬も、ぼくが起きてる間はヒーターの横で寝ていて、
ぼくが寝るころには朝になってるので、ソファで寝たりしていた。
たまにぼくが寝るときにフトンに引っ張りこんでも、
暑がってすぐ出ていってしまう。
ところが、ここ数日、朝10時ころになると、
ごそごそとベッドに潜りこんでくるようになったのだ。
いったいどういう宗旨変えがあったのか。
しかし、それでもやっぱり潜ると暑いので、
フトンの中に入るのは、腰から下だけ。
上半身は枕に乗せている。
はっきりいって邪魔なのだが、でもなんだかちょっと嬉しくもある。

唇にできた水泡が増殖している。
もう痛いったら。
たぶん、そろそろピークは越えてると思うんで、
今週の年末進行の最後の山場を越えたあたりで治るだろう。
やっぱり、昔に比べれば楽になったといっても、
年末だからなあ。

今月号の「本の雑誌」で、弁護士の木村晋介が
「鉄槌!」を取り上げている。
しかし、どちらかといえば、本の内容というよりも、
ぼくの弁護を引き受けた渡辺という弁護士についてだ。
読んでいただければわかるが、
渡辺泰彦は、やっぱり正札つきの超悪徳カス弁護士だったのだ。
許さんぞー!
怒りを新たにしてしまった。

読売新聞でやってた漫画評は、もう終わってしまう。
月曜の書評欄が日曜の読書欄に統合されるらしい。
まだ半年くらいしかやってないんだがなあ。
産経と日経では何年も続いたんで、ちょっと意外。
新聞は、発行部数が多くて全国の人の目に触れるんで、
どこかでやっておきたかったんだけど、
まあそのうちまた、どこかからくるかな。

「12.18」
ちょっと教えてほしいんだけど、
スマートメディアって、なにかドライバーかソフトか、読みむものが要ったっけ。
写真を取りこもうとしたんだけど、
ケースごとフォーマットしますかってメッセージが出てしまう。
どうもよくわからんなあ。
メールに挿入されてるアドレスやURLから、
そこに飛ぼうとクリックしても、
Cドライブが開くだけになってしまったし、
まったく、謎が多いなあ。

うちの近所に、洋食屋ができていた。
週アスの編集者が、うちにくるのに遠回りしてて気がついたんだけど、
ぼくもいつも通る道じゃないんで、気づかなかった。
いってみたら、まだ新しい小さな店だった。
客は、金曜の夜なのに、ひとりもいない。
メニューは定食が3種類。
鶏料理と豚肉料理2種類で、それぞれ750円くらいだったかなあ。
その上、飲み物つき。
なんだか安い。
従業員は、経営者らしいジイサンがひとりだけ。

いつ開店したんですかと聞いてみたら、今年の夏だった。
まだ4か月だ。
飲み物を、4人分聞くんだけど、普通は、「コーヒーと紅茶」くらい。
でもここは、同じ「コーヒーと紅茶」でも、どんな注文でもOKなのだ。
みんな図に乗って、アールグレーホット、アールグレーアイス、
コーヒーホット、紅茶ホット、と勝手な注文をする。

注文したものが出てきた。
ご飯とメインディッシュと味噌汁とジャガイモの千切りの炒めたものの小鉢と、
大根の漬け物の小鉢と、紫蘇のふりかけ。
ぼくらが飯を食いながら、なんだかんだと話していたら、
私も歩くんですよ、と声をかけてきた。
山手線一周の話をしていたからだ。
ジイサンは、去年、四国四十八霊場を、全部歩いてきたそうだ。
千数百キロだったか歩いたらしい。
でも、いきなりそんなこといわれても、反応のしようがなくて、
じゃあそろそろ帰ろうか、とぼくらは店を出た。
きっと、去年で会社を定年になって、四国の霊場を回ってきて、
それからあの店を開いたんじゃないかなあ。
はたして、あの店はやっていけるだろうか。
味は、あの値段にしては美味しかった。

買ったばっかりのペルシャ絨毯に、
正ちゃんがゲロをしてしまった。
腹が減ってたからって一気食いするからだー、ゲロ助めー!
なんでわざわざ絨毯の上で〜!

コンパックのニューマシンが届いた。
でもまだ箱を開けてない。
今日はちょっとほかのことをやらなくちゃいけないので、
セッティングその他は、明日。
週アス担当のこーのスが、もうひとり連れてくる。
もうひとりが誰かというと、ちょっとまだ内緒だ。
そのうち、あの時のあれが、と思い当たることもあるであろう。

竹爐山房で、飯を食ってきた。
ここに通い出して長いが、いつも美味しい。
以前は、テーブルが3つほどの、
うなぎの寝床みたいな小さな店だったが、
今では大きな店に出世した。
でも味は落ちてないとこが偉いよなあ。
開店して1週間目くらいの時に偶然入って、
それ以来、ずーっといっている。
値段はずいぶん上がったけど、
とりあえず、シェフが、料理が好きだってのがわかるのがいいなあ。

「12.15」
眼鏡が折れた。
メタルフレームの、レンズの枠が上半分しかないタイプだ。
だから、構造上、どうしても弱い。
修理に出してきたけど、予備のメタルフレームが見つからない。
どこにしまってあったかなあ。
あれがないと、大きいセルフレームか、薄い色のサングラスになってしまう。
サングラスは、スタジオだと眩しくなくていいけど、
あんまり仕事には向かない。
探さないとなあ。

ふと思い出したんだけど、
夏にスケジュールが合わずに断ったへーベルハウスのCMって、
もう流れてるはずだけど、どんなものになったんだろう。
時々、断ったCMは、結局どんなものだったんだろうと気になる。
三菱地所とか、キリンの一番しぼりとか、
ぼくが出ていたらどんな風なことをやらされていたのかとか、
やっぱりちょっと気になるんだよな。
ちなみに、へーベルハウスを断ったのは、
夏休みと重なってたから。
当然、休み優先だよな。

1週間ほど前から腰が少し痛い。
もともと腰痛持ちではあるが、だいたい普段は押さえこんでいる。
以前、痛くて歩けないほどになったが、
運動量を増やして 腹筋と背筋をつけ、
ウォーターベッドを導入して、なんとか痛みは出なくなった。
でも、やっぱり疲れると、ちょっと痛くなる。
今年は、実際にも忙しかったけど、
私生活上でもいろいろあって、精神的にも疲れた。
暮れ正月は、ごろごろして過ごそう。

今日は、MONOマガジンの企画で、
夏目房之介・岡田斗司夫と3人で対談。
漫画の話をいろいろしてきた。
きっと無茶無茶になっちゃうだろうなあと思ったら、
案の定、3人で好き勝手に話して終わってしまった。
1月発売号だ。
終わってから駅前で夕食を食べ、
夜道を歩いて帰ってきたら、
大きな丸い月が、空に明るく輝いていた。
月の光は、敬虔な気持ちになるね。

明日は、新潮45が、「鉄槌!」の話を聞きにくる。
法律話の連載用の取材らしい。
なんでもいいから営業に励まないとな。

[12.14]
世間では、ボーナスシーズンである。
(有)石川商店でも、ほとんど働いていないアシスタントに
ボーナスを払わなくちゃいけない。
ぼくもさっき、自分へのボーナスに、ペルシャ絨毯を買ってきた。
赤の無地だ。
居間に置いたら、さっそく正ちゃんが飛んできて、
凄い勢いでくんくん匂いを嗅いですりすり体を擦りつけて、
時々舐めて、その上爪まで立てる。
爪はちょっと困るので、怒鳴りつけてやるのだが、
なんだか異様なほど興奮しているのだ。
やっぱり、獣の匂いがするのかなあ。
アフガニスタン人が織ってるし、
異国の匂いがするのかもしれない。
駱駝とか。
少なくとも、日本の綺麗な工場で作られたものとは、違う匂いがするんだろう。
爪とぎにされないことを祈るばかりだ。

夜のニュースを見ていたら、
新宿でボッタクリ店が摘発されたという話題をやっていた。
「逮捕されたのは新宿の風俗店〈ヌキペロ〉の経営者……」
というあたりで、大笑いしてしまった。
アナウンサーが真面目な顔して、ヌキペロはないよなー。
わっはっはー。

仕事をしてて、なにか今日ってあったよな、と思ったら、K-1だった。
テレビをつけたら、フィリオ×レコだった。
最終ラウンドと延長戦を見た限りでは、互角だった。
ピリッとしないフィリオの、名前勝ちかな。
アーツ×アビディは、アーツは実質2連敗して後がない。
しかし、勢いは完全にアビディだった。
でも、まだ技術がなさすぎて、アビディは自分に負けてしまったなあ。
武蔵×セフォーは、ベルナルドの代役セフォーの
正確で力の籠もった左に、武蔵が手もなく打ち抜かれてしまった。
「日本最強」という謳い文句が恥ずかしくなるような負けかただった。
ベルナルドとやるなんて、まだ早過ぎる。

フィリオ×ホーストは、今日の最大の呼び物になるはずだったのに、
フィリオはよほど体調が悪いらしく、
待ってカウンターに頼るだけで、面白くない。
ホーストの判定勝ちも、仕方ないなあ。
アーツ×セフォーは、アーツの額がアビディのバッティングで割れて、
ドクターストップだ。
アビディがまさかの敗者復活。
でも、一度気持ちが切れてたせいもあったか、
セフォーの猛攻を耐えきれずに、背中を向けてしまった。
セフォーは、とうとうファイナリストだ、運がいい。

決勝は、ホースト×セフォー。
リングアナウンサーは、巻き舌のなんとかってガイジンだ。
セフォーは、直前の代役にも関わらず、体調をきっちり仕上げてきた。
思ってたよりも、ずっとテクニックもあった。
でも、ホーストのほうがうまかったな。
ずっとホーストがコントロールし続けて、
判定だが完勝した。
今回のK-1 は、いまひとつだった。
ベルナルドとアーツが体を完全に治して出てくる、
来年に期待しよう。
それにしても、日本選手は出てこないのか。

「12.13」
うちの近所にある喫茶店は、一軒だけだ。
昔は、あちこちに喫茶店というものがあったのに、
吉祥寺では、もう家賃が高くて、
喫茶店というものが成立しなくなってしまった。
コーヒー一杯分の利益と客数と家賃とを考えると、
とても商売として成り立たなくて、
みんな、廃業してしまうか、ドトールみたいな
単価は低いが回転が速くて収益の多いタイプの店になってしまったのだ。
だから、その近所の喫茶店は、貴重な一軒なのだ。

たぶん、自分の持ち物であろう瀟洒なマンションの一階に、
その喫茶店はある。
窓の大きい綺麗な店で、コーヒーもなかなか美味しい。
インテリアも、面白みはないが、きちんとしている。
カウンターの中には、60歳くらいのオバサンがふたりいることが多い。
時々、息子が入っていることもあるが、
まあいかにも趣味でやっている店だ。

この店で、ぼくは時々コーヒーを飲む。
本を読んだり、アイデアを考えたりしているのだが、
一番使いやすいテーブルが、いつも予約席というプレートを立てて、
実質的に使用禁止になっている。
たぶん、大きい店なのに客が少ないから、
半分だけ使うために、そちらのテーブルに客を座らせないようにしているのだろう。

まあそれは理解できるのだが、
理解できないこともある。
なぜか、この店の客は、老人が多いのだ。
40代がたまにくるが、ほとんどはどう見ても60過ぎだ。
今日も、夕方ちょっとコーヒーを飲みにいったのだが、
カウンターに70前後がひとりと60くらいがひとり、
テーブル席に、60代のカップルがひと組と、
50代の女性がふたりと、
60前後のカップルがひと組。
なぜこんなに年齢層が高いんだ。

常連らしいカウンターのジイサンが、中のオバサンに、
八丈島のあしたばについて話していた。
「今日腹一杯食べても明日になるとまた食べたいから、あしたばっていうんだよ」
ぼくはひそかに考えていた
〈あした〉はわかったけど〈ば〉はなんだ』
オバサンは応えた。

「ふーん、明日も元気だっていうことね」
『それで会話になってるのかー!』

どうも、年寄りのいうことは、よくわからんのである。

ここ1週間ほど、正ちゃんはダイエットに入っている。
上の写真の5キロでも、やや太目だったのだが、
最近はもう5.2キロをキープしてしまっている。
このままでは、デブ一直線だ。
それで、だいぶ前から少しずつ飯を減らしていたのだが、
今回、思い切って本格的に減らすことにした。
猫缶は、一切やめる。
量を計ったサイエンスダイエットのライトだけ。
時々しらすつき。
まだ体重は変わらないが、
顔のまわりが少し細くなったような気がする。
なんとか、4.8キロくらいをキープできるようにしたいと思う。
本人はちょっと不満があるようで、
昼ごろになると、飯くれとニャーニャー鳴いて、
熟睡中のぼくを起こすのが、 ちょっと困るが、
デブは病気の元だからなあ。

先日、仕事をしていたら、玄関のチャイムが鳴った。
出てみたら、知らない若い男が立っていた。
アシスタント希望だという。
どうしてここがわかったのかと聞いたら、
なんと、吉祥寺中を歩いて、うちを見つけたらしい。
努力は買うが、あんまり見つけないでほしい。
岐阜県からきたというので、なにか描いたものをもっているかと聞いたら、
漫画を描いたことはないという。
努力は買うが、ちょっと下地を作ってきてほしいなあ。

アントラーズは強かったー。
きっと強いだろうとは思っていたが、これほど強いとは。
選手とセレーゾとの間の不協和音もいわれるのに、
圧倒的に強かった。
前半で3点差がつくとは、誰も思わなかっただろう。
来シーズン、はたしてこれを脅かすチームが現れるだろうか。

それにしても、いいシュートだったなあ。
秋田−名良橋の凄かったこと。
こぼれたボールを秋田が追ってった時、
名良橋がいきなりゴールに走り始めたから、
おいおいどこ行く気だ、と思った瞬間、
振り向いた秋田がゴール前に凄いボールを出して、
名良橋が胸で受けて綺麗なシュートを叩きこんだ。
いいもの見たなあという気分にさせてくれる。

マリノスは、アントラーズに引っ張られて、
結局サッカーをさせてもらえなかった。
川口も、まさか3点も取られるとは思わなかっただろうなあ。
3点目は、珍しく川口のバタバタするところを見た。
それだけ浮き足立ってたということかもしれない。
とりあえず、オールバックはこれに懲りてやめとくことだな。

渋谷の宇宙百貨という雑貨屋の奥に、
ちょっとしたギャラリースペースがある。
そこで今、スノウドーム展をやっている。
今日は短い時間だけど、それを覗いてきた。
古いものと、現在売られているもの、それとオリジナルを展示している。
売られているものもすこしあるが、
だいたいは見るだけ、でも触ってもいいのだ。

スノウドームって知ってる?
実はぼくも多少集めている。
ガラスやプラスチックのケースに、
建物や動物や人物や、いろいろ入っていて、
ケースの中は、液体で満たされている。
そしてもうひとつ、〈雪〉も入っていて、
ケースを揺すると、満たされた液体の中を、雪が舞う。
だから、触ってもいいというのは、
どんな風に雪が舞うのか試してもいいということだ。

うちには、だいたい100個くらいあるが、
そのうち20個くらいは、貰ったものだ。
友人や編集者が海外にいくたびに、
面白いものがあったら買ってきてと頼んでるんだけど、
あとで聞くと、面白いものをみつけていながら、
まさかこんなものは要らないだろうと
買わずにきたりしていることも多い。
興味のない人が見たら安っぽかったりチャチだったりするものが、
案外よかったりすることもあるんだよな。
クリスマスの表紙は、ドームにしようかな。

日経アドレの1月号に、
文庫版 「漫画の時間」関連のインタビューで出ている。
「鉄槌!」はずいぶん取り上げられたけど、
文庫版「漫画の時間」 は初めてだ。
写真つき。

[12.10]
ここ数日、寒いなあ。
うちは、ほとんど暖房を入れていない。
仕事場のデロンギを半分つけてて、それが暖房の全てだ。
デロンギが暖かいと思っている人が多いが、
ぜんぜん暖かくはない。
部屋をぽかぽかに暖めるためのものではない。
寝室なんかを、長い時間、乾燥させずに、少し暖かくするためのものだ。

うちは気密性を高めてあるので、
ちょっと暖房を入れるだけで、効果が高い。
今も、つけてる周りは23度くらいはあるから、寒くはないが、
それでも、ここ数日は空気がつめたく感じる。
去年も、確か暮れにエアコンを少し入れ始めてたから、
まあ同じくらいかな。
一階の暖房を入れてない部屋に入ると、
ちょっと空気が冷たい。
風呂上がりに暖房なしで裸でうろうろしてると、
ちょっと寒い程度だけど。
うちの実家は冬に寒いので、
自分で作る家は、暖かい家にしようと思ったんだ。

この暮れは、仕事を速く終えて、絶対に家を片づける。
もっと広く使えるようにするぞ。
美しい家にするつもりだ。

年末進行も、そろそろ佳境に入ってきた。
相変わらずウィンドウズマシンが絶不調なので、
余計なストレスが多い。
いろいろあってついに、アスキーが金を払ってくれて、
新マシンを買うことになった。
というか、もう買った。
ネット通販で買った。
コンパックだ。
詳しくは、新年1号を待て。

「だサル」の7巻目ができてきた。
相変わらず日下潤一のデザインは綺麗だ。
発売開始は来週14日。
さて、売れるかな。

コンパイ・セグンドのライブにいってきた。
渋公 こと、渋谷公会堂だ。
ここは、大きさと雰囲気と、客との近さが、ライブにぴったりだ。
いろんなライブをここで見たけど、
あんまり外したことがない。
音は隣のNHKホールのほうがいかもしれないけど、
ライブの楽しさを味わうのなら、こちらのほうがいい。

コンパイ・セグンドは、93歳だ。
それが、ツァーをやるのだ。
大丈夫なのか。
無事渋谷までたどり着けるのか。
予定より少し遅れて、幕が開いた。
小さい編成のバンドが演奏している。
ギターとベース、パーカッションにマラカス、
それに名前を忘れたけど拍子木みたいなものを打ってる5人だ。
そこに、コンパイ・セグンドが現れる。

最初は、よろめいてるのかと思った。
すぐに、踊っているのだとわかる。
にじり寄るように、少しずつバンドに近づいて、
ギターを取る。
いや、ギターではない。
クワトロという、4弦というか、2本ずつ張ったオリジナルの楽器だ。

一曲目、いきなりクワトロのイントロを外す。
おいおい大丈夫か、と思ったが、
尻上がりに調子を上げて、どんどんよくなる。

コンパイ・セグンドってのは、第2声という意味だ。
つまり、リードボーカルではない。
だから、声を張るタイプのリードボーカルを連れてきて、
自分は低い方の和音をつけるんだろうが、
それでコンパイ・セグンドのコンサートといえるのかな、
とちょっと心配してたんだけど、
全然杞憂だった。
存在感が、結局コンパイをセンターに立たせてしまう。

途中で、クラリネット2本と太いサックスが入り、
すごくいい音色になる。
派手ではないが、声と音量の似た、
優しく暖かい音色だ。
きっと、コンパイがブエナのほかのメンバーと一緒にこなかったのは、
音の志向が違ったせいもあるんだろうな。

さすがに、もう絶妙のテクニックではない。
音も外すし、声もいい声ではあるが、そうは出ない。
クワトロのミスも多い。
それでも、コンパイ・セグンドは、よかった。
しみじみした「チャンチャン」で締めたが、
いかにもコンパイらしかった。

以前、「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」の映画を見ていたら、
コンパイは「ロス・コンパドレス」にいたというようなことをいっていた。
ロス・コンパドレスといえば、キューバ音楽の大物だ。
でも、確か兄弟ふたりだったはずだがなあ、
とこないだ家にあるCDとレコードをひっくり返してみたら、
謎が解けた。
初期メンバーに、コンパイ・セグンドこと、フランシスコ・レピラドはいたのだ。
兄弟の従兄弟だったらしい。
クラリネット奏者でもあるようだ。
あの2本のクラリネットは、やっぱり音色が好きなんだな。
ライナーによると、彼の楽器は
〈 6コース7弦、第3コースのみ複弦、ティルビースつき〉とある。
これはクワトロとは違うのかもしれない。

今は色気タップリのジジイになったコンパイも、
若いころは、 それほどでもなかった。

年を食って、いい顔になっていったんだなあ。

きっと、コンサートを見た男の客の全員が、
自分も年を食ったら、こんなエッチなジジイになりたいと思っただろう。
クワトロのボディを女性に見立てて、
高らかなキスの音と共にボディをなで回す姿は、
完全に現役だったよなあ。

1時間半、コンパイはずっと立ちっぱなしで、
歌いっぱなし、弾きっぱなしだった。
93歳なのに。
ライブが終わって、舞台袖にまたにじり去っていく姿を追いながら、
観客は全員満足していたと思う。
ぼくも、今年を締めるのにいいライブだったなと思う。
しばらく、またCDを聴こう。

以前、このページで貰い手を募集した子猫が、
ずいぶん大きくなった。
もちろん、新しい飼い主のもとでだ。
あのころ こんなだったのが、
今はこんな になってる。


こんなだったやつは
今はこんなことになっている。
わっはっはー。

[12.7]

高木の引退が決まった。
松永も引退みたいだし、どうも寂しくなるなあ。
スポーツ選手は、体力の限界があるから、
いつか引退しなくちゃいけないんだけど、
元全日本クラスの選手の引退は、やっぱりちょっとしみじみしちゃう。
高木も、頂点を迎えるところで怪我に泣いた。
松永は、監督との確執でチームを追われた。
誰も、思い通りにはいかないんだよなあ。
第二の人生に、幸多かれと祈る。

正ちゃんに起こされて、昼過ぎに起きたら、
ものすごくいい天気だった。
うーん、こんなにいい天気ならもっと早起きするんだったなあ、
と手早く出かける支度をした。
今日は、秋葉原にウィンドウズマシンを買いに行く予定だったのだ。
しかし、担当者と連絡がつかず、結局中止。
だったら、もう少し寝るんだったなあ、
と思っているうちに、天気も下り坂、
なんだか雲が出て、寒そうな冬の空になってしまった。
今シーズン、まだ2度しかウールの上着を着てないが、
もう着なくちゃいけないかもしれないなあ。
でも、ゆうべ駅前までウールのコートで出かけたら、
暑くて汗をかいてしまったんだよなー。
暑さ寒さに強いのも、いいのか悪いのかってとこだなあ。
季節感に欠けることおびただしい。

BSフジで神取×堀田を見た。
なんだか、変な試合だったなあ。
バーリ・トゥードとプロレスを合わせたような、
エンターテインメントなんだか真剣勝負なんだか、
よくわからないものになっていた。
ふたりとも、プロレスが長いから、
つい見せようとしてしまうんだろうなあ。
神取がせっかくマウントを取ったのに、
すぐ腕ひしぎにいって外されたりして、
必死でやってるのに、ちょっと半端な印象があった。

漫画アクションの新しいのをぱらぱらと見てたんだけど、
もうなんだかなあ、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
まあ売れないからなんだけど、それにしても、
ここまでやらなくたっていいじゃないか。
あの正統派青年劇画誌「漫画アクション」は、
現在ではエロ本になっちゃってるのだ。
なにせ、
〈話題独占集中連載カラー「咥え妻」〉だもんなあ。
〈アカマル急上昇集中連載!!!「変態ケモノミチ」〉なんだもんなあ。
ちょっと寂しい。

松本は、いい天気だった。
金曜に、仕事を片づけてから、中央本線スーパーあずさで、松本まで。
駅まで、毎日新聞の元担当記者の高木くんが迎えにきてくれた。
とりあえず、ホテルに向かう。
松本城近くの、花月だ。
小さくておちついた、いいホテルだ。
荷を解いて、飯を食いに出る。
鯛萬という、古いフランス料理屋だ。
ここには、20年くらい前にきたことがある。
信州牛のカルパッチョと地鶏のワイン煮を頼む。
腹も減ってたし、美味い。

部屋に戻って、大浴場にいく。
やっぱり風呂は、広い方がいい。
久し振りにデカイ湯船で、手足を伸ばしてのんびり入浴。
かなりゆっくり浸かってから、部屋で本を読みながら、
野中辞任のニュースを見る。
くだらん。
好きにやってろ。
来年の夏に吠え面かくな。

朝になって窓を開けると、上天気。
チェックアウトして、近所を散歩。
松本は、 古い街並みが残っている。
昔からある喫茶店や、
女鳥羽川沿いのナワテ通りも、懐かしかった。
松本城のお堀の前では、何組かの観光客が写真を撮っていた。
このへんも変わらないなあ。
でも、駅のほうに向かっていくと、知らない街になってしまう。
だいたい、松本駅自体が、ぼくの知らない場所になってたけどね。

それから高木くんの車で、ちょっと遠出。
たかぼっちに登って、アルプスから、反対側の諏訪湖側まで、
一望の下だ。
富士山も、かすかに見える。
その後、プレハブ作りの蕎麦屋にいき、大盛り蕎麦と蕎麦お焼き。
信州はやっぱり蕎麦だよな。
また松本郊外に戻り、高木家で晩飯。
帰りは、あずさだ。
ほんとに短い旅行だったけど、
空気も澄んでて空も綺麗だったし、なかなか気持ちよかったな。
写真は、また。

「12.5」
アサ芸が取材にやってきた。
「鉄槌!」の件なんだけど、
書評はずいぶん出たけど、取材は初めてだ。
書評欄ではあるんだけど、写真つきで、確か2週くらい後に出る。
ちょっと女の子には買いにくいのが難点だな。

銀座にあるギャラリーがやってる専門学校というか、
カルチャースクールみたいなとこで、
年に数回程度話すことになった。
そう特にやりたいわけじゃないんだけど、
頼まれてどうも断りにくかった。
以前、10人か20人の少数精鋭のクラスを作ってくれれば
デビューまで面倒を見ると、さる専門学校に持ちかけたんだけど、
採算が合わないと断られたことがある。
今度のとこは、そんな真剣なものじゃなくて、趣味程度。
ぼくも、まあ客寄せかな。

金・土と、松本にいってくる。
天気予報を見ていたら、大阪の最低気温は9度だったのに、
松本の最低気温は1度だった。
寒そうだなあ。
まあぼくは、暑さ寒さには、かなり強いほうだ。
問題は、この暖かい家に引っ越して、軟弱な生活を送っているうちに、
ちょっと寒さに弱くなってしまったかもしれないということだ。
まあ多少厚めのセーターと、ウールのコートと、
あとはせめてマフラーくらいは持っていこうかな。
そのくらいで充分だろう。

松本って、この季節、なにが旨いんだっけな。
小布施の栗菓子くらいしか思いつかない。
湯豆腐は京都だし、きりたんぽは秋田だし、
長野の冬の食べ物は……、おやきかなあ。
それだけじゃ、ちょっと寂しいよな。
きっと、松本在住の毎日新聞記者が、美味しいものを教えてくれるだろう。
サツ回りのあとの立ち食いうどん屋とか、
そういうものしか 詳しくないというおそれもあるな。

最近コンピュータの調子は、相変わらず悪い。
DAVEが使えないし、スマートメディアも認識しない。
FAXソフトも駄目だし、一太郎の設定類がうまくできない。
というわけで、新マシンを導入することになりそうだ。
アスキーが金を出してくれるらしい。
珍しいこともあるもんだ。
まあアスキーのネタ作りが原因なんだから、
責任は取ってほしいけどね。

「笑っていいとも」の取材にいってきた。
脇から見てる予定だったのに、
サービスのつもりだったのか客席に座らされた。
それも、カメラのすぐ脇だ。
こりゃ映っちゃうかもしれないなあ、と思っていたら、
案の定、帰ってきたら、なぜあんなとこの客席に、というメールが、
凄い勢いで殺到していた。
こんなことになってたらしい。

今日の「友達の輪」は、高岡早紀だった。
席がちょうどぼくの正面だったので、
客席にぼくを見つけて、 驚いていたようだった。
ずいぶん久し振りだったけど、こんな再会のしかたをするとは。
彼女とはかつて、「バタアシ金魚」の撮影で会った。
ぼくの生徒の役で、主役の筒井道隆を紹介する、
水泳部顧問の板垣先生がぼくの役だ。
彼女の芝居よりも、アルバムがぼくは大好きで、
全部持っているよといったら、ライブに呼んでくれた。
加藤和彦なんかがプロデュースして、
ニュートラルな彼女の声を使って、
マニアが凝りまくったような、
面白いアルバムばっかりだったなあ。

「12.2」
東京スポーツの一面に、
「引田天功がヴァンダムと国際結婚!」
などと出ていた。
ええーっ、ロブ・ヴァンダムがプリンセス・テンコと!?
と驚いたら、ジャンクロードのほうだった。
ぜーんぜん興味ないや。
引田天功と結婚するってのは、なかなか勇気がある。
あの化粧だけでも、充分鈴木その子クラスに怖い。

FMWにいってきた。
さすがに、エース長期欠場直後で、客足は多少落ちていた。
まああれくらいしか落ちてなかったともいえる。
相変わらず、怨霊×GOEMONの、
呪いのベルト争奪戦の解説担当だったのだが、
ちょっと話すことがなくなってきたなあ。
ちょっと考えないと。
全体の試合内容は、ハードで元気な、FMWらしさが出ていたと思う。

ゲイナーの取材で、「笑っていいとも」を見てくる。
今日は誰が出る日だっけな。
ほとんど見たことがないんで、よくわからない。
スタジオアルタ前に11時20分集合ってのが、ちょっと辛い。
以前、「友達の輪」の、さるミュージシャンのあとに、
ぼくのところに回すという話がきたが、結局ボツになった。
あのコーナーに出るは、ぼくはちょっと一般的知名度不足だと思うなあ。

明日、28日のFMWに、またいってくる。
怨霊×Goemon呪いのベルトシリーズが、まだ続いているのだ。
見たい人は、スカパーのPPVで。
でも、もう話すことがないなあ。

ご近所の成蹊大学の教授が逮捕された。
援助交際してる女の子といっしょに、
自作自演のエッチな 画像を売ったらしい。
くーだらない。

キネ旬版の「マンガ夜話」10巻目が出た。
「ちびまる子ちゃん」と「編集王」のカップリング。
番組でも面白かったのに、今読み返しても面白い。
変な番組だよなあ。

昔の友人と、15年振りくらいで会った。
彼女が結婚する前に会ったっきりだったんだけど、
今では子供もふたり産んで、すっかり貫禄がついていた。
喫茶店で待ち合わせたんだけど、
古い友人は、会った瞬間に昔に戻っちゃうんだよなー。
共通の友人の話なんかして、ちょっと心がなごんだ。

「11.29」
ウィンドウズマシンが、相変わらず絶不調だ。
いろんなソフトの設定が、うまくできない。
マニュアル通りにやっても、できることとできないことがある。
FAXソフトも使えないし、スマートメディアも使えなくなってる。
DAVEも認識しない。
考えられることはいろいろやってみたんだけど、
どうしようもない。
もうあとは、再フォーマットか、HDの交換か、新マシンか、
どれかだろうなあ。
なんにしろ、年末のばたばたした次期に、
困ったもんだ。

アンダー19は、また今回もアジアチャンピオンにはなれなかった。
先行されて、追いついて、延長戦14分過ぎに、
イラクにゴールデンゴールを決められてしまった。
ゴール前でDFが、大きく弾んだボールを見てしまった。
その間に、イラクの選手が詰めて、結局決められてしまった。
判断ミスだったなあ。
決勝4回目の今回も、また勝てなかった。
また、2年後に次のトライだ。

オフ会スタッフと、吉祥寺の居酒屋で顔合わせをしてきた。
オフ会自体は、1月の中旬から下旬にやることになると思う。
とりあえず1週間〈予備登録〉を受けつけて、
これで大体の人数を見ることしにます。
あんまり人数が増えないように、予備登録者優先で
適当なところで足切りをすることになると思う。

切られたと思っていた巨木は、なんとか生きていた。
近所の空き地に樹齢数百年の巨木が立っていた。
それが、空き地にスポーツクラブができることになって、
いきなりなくなってしまったのだ。
ああ、切られてしまったのか、なんてもったいない、と思っていたら、
実は、空き地の反対側に移植されていた。
枝をすべて落とされて、
幹だけの貧相な姿になっていたので、気づかなかったのだ。
ちょっとほっとしたが、あんな大きな木だから、根も大きいだろう。
無事に根付くだろうか。
それはそれで心配だ。
春を待ちたい。

「11.27」
アントラーズ×レイソルは、死闘だった。
どっちにも勝機はあった。
ゴール前に何度も詰め寄った。
勝ったほうが優勝、引き分けならアントラーズ。
結局、アントラーズの粘り勝ちだったな。
ステージ優勝なのに、秋田や高桑は泣いていた。
それだけ、勝つことに大して執着心があったな。
しかし、明神はよく守った。
相馬も本山もよく動いた。
南も高桑もよく防いだ。
奈良橋がやっと29歳の誕生日ってのは、ちょっと驚いたけど。
さあ、次はマリノスだ。

「だサル」7巻の青焼きが手を離れた。
あとは出すだけ。
12月14日発売だ。
今回は、ウィンドウズ98を入れ、
マック9500のCPUを、604eに換装している。
だいぶ現実に近づいたな。
今年はやけに忙しかったと思ったら、単行本もこれで7冊目だ。
年に7冊は、出し過ぎだ。
来年の税金が怖いぞ。

日曜に、100万人突破記念オフ会のスタッフミーティングがある。
一回目だし、時間があったら、ちょっと顔を出したいが、
まだちょっとわからない。
しかし、スタッフ・準スタッフ合わせて12人くるそうだけど、
それって既にオフ会じゃないのか。
いったい、本番には何人くるんだ。

力道山の長男が死んだ。
まだ54歳だ。
息子ふたり、ともにレスラーになったが、ともに大成はしなかった。
長男のほうは、遅くレスラーになって、早く引退した。
引退後は、全日本でフロントに入った。
こないだの政変でNOAHに移籍したけど、
やっぱり「力道山の息子」という看板は、地方じゃ役に立っただろう。
NOAHの旗揚げをディファ有明に見にいった時、
入り口で元レフェリーのジョー樋口とふたりで並んで座っていた。
色が黒くて、いい体をしていた。
冥福を祈る。

いやー、ひどい目に遭ってしまった。
この間、HDをフォーマットしたら、それからが絶不調。
どんどん調子がおかしくなってきて、ついに画面真っ黒。
加藤政局の日から、まったくHPの更新もできなかった。
今も、決して完治ではなくて、使えないものがいくつかあるんだけど、
なんとか最低限、とりあえずは使えるようになった。
早く完全復帰したいなあ。
それにしてもHDのフォーマットは失敗だった。

新宿花園神社のお酉様をちょっと覗いてきた。
今年は、二の酉までだ。
いつもの見せ物小屋が、また今年も出ていた。
この同じ演し物を、ぼくはいったい何10回見ただろう。
〈蛇娘〉 も、すっかり老婆になってしまった。
ぼくの学生時代には、花園神社の見せ物小屋も、何軒も出ていたが、
今では一軒だけだ。
ハルちゃんとお峰さんのふたりの婆さんが芸を見せてるんだけど、
今年はお峯さんだけだった。
そういえば、去年はもう少し若いおばさんもいたよな。

白塗りに工藤化粧のお峰さんは、まず生きた蛇を食う。
小振りの蛇をくわえて、首を噛みちぎって生き血をぐびぐびと飲む。
それから、数十本まとめて火をつけた蝋燭の溶けた蝋を口に流しこみ、
3メートルくらいの火を吹く。

次は、透視術。
3枚の天・地・人のお札のうち、どれか一枚を客に小箱に入れさせて、
それをお峯さんが 当てる。
当たるんだけど、誰も特には驚かない程度の術だ。
それが終わると、隣の狭い舞台に移って、
今度はオバサンの大奇術だ。
縦横2メートルくらいの箱 のフタを開け、
中になにも入ってないのを確認させる。
そこから、数色のテープを出して、
その後、お峰さんが出てくる。

続いては、犬の芸だ。
2匹の犬が出てきて、輪くぐりをするのだが、もう一日中やらされてるんで、
犬の方もだれてて、やる気がない。
無理に尻をたたいてやらせてるうちに、
一匹が舞台上でウンコし始めて、慌てて引っこむ。
最後に、数メートルのニシキヘビを出す。
ほぼ脱皮が終わった、つやつやの蛇だ。
別に芸をするわけではなく、解説をひとくさりやってオシマイ。

まあ全体に、これが芸かというと、かなり怪しいが、
この怪しさが、見せ物小屋なのだ。
ぼくが子供のころには、ろくろ首とか人魚とか、
いろいろインチキ臭い演し物があった。
もう日本中で、この小屋しか見せ物をやってるとこはないそうだが、
2大スターのハルちゃんとお峰さんが年くってしまったから、
日本から見せ物小屋が消える日も、そう遠くはないんだろうなあ。
そういえば、染五郎が見にきてたな。
相変わらず泥棒ヒゲだった。

[11.24]
なんだか、日本の政治はもう駄目なんじゃないか。
加藤と山崎は、土壇場で腰が引けて逃げるし、
松浪は口にするのもくだらないほど愚かだし、
抗議する野党議員を見て指差して笑っている森は馬鹿だし、
鉄板の上で猫踊りをさせるらしい橋本は尊大なオイルポマーダーだし、
こんな程度の低い連中を、いったい誰が選んでるんだ。
こんなやつらに投票してるやつは、
いったいなにを期待してるんだ。

はっきりしたことは、
これで、もう自民党にも、もちろん加藤にも山崎にも、
多くの人が愛想を尽かしたってことだ。
野党があてになるかどうかは、また別の問題だが、
あいつらがなんの役にも立たない穀潰しだってことに関しては、
もう誰も疑わないだろう。
ああ、ただ絶望感だけが増していくなあ。

BS2の「週刊ブックレビュー」では、 「鉄槌!」絶賛だった。
夢枕獏も、ほかの出演者も、司会者も、
みんな身を乗り出して誉めてくれて嬉しかった。
見逃したというメールもきてるけど、
11月25日(13:30〜14:24)に 同じくBS2で再放送がある。
これがラストチャンスだ。


庭にデッキが張ってある。
これはまあ、草むしりする面積が少なくて済むようにという、
ひとり暮らし仕様なんだけど、
ここにテーブルを置きたい。
もちろん、置きっぱなしにしたいんで、
傷みにくいものがいい。
陶製か金属製か、そんなものだ。
でも、そういうものって、どこで買えばいいんだろう。
誰か知ってる?
前に、丸井のインザルームに天板が陶製の丸テーブルが置いてあって、
ここで買えばいいのかと思っていたら、
すぐなくなって、 それっきりだ。
晴れた気持ちのいい日には、デッキでお茶を飲みたいなあ。

GON!って雑誌があるんだけど、そこにぼくのことが出てるらしい。
こんな記事だ。

いしかわじゅんが藤臣柊子と離婚でついにバツ2!
原因は、いしかわが裁判に熱を入れすぎ
(その経緯 は単行本「鉄槌!」でいやんなるほど詳しく読めマス) たせいか、
あるいは藤臣のお山参り(宗教系ね・・・) が度を越し始めたせいか?
長身で漫画家には珍しい スタイリッシュさが自慢のいしかわは、
またまた独身 貴族を謳歌するらしい。
でも、別れた後なのに、サラリ と文庫の後書きを頼まれた藤臣は
離婚初心者だけ あって困惑したようだけど・・・。

情報古すぎだぞ。
それにちょっと強引すぎだ。
でもまあ、「鉄槌!」の宣伝してくれたからいいことにしとこう。

来年の4月に、テキサスまでWWFのレッスルマニアを見にいく。
もうチケットは、大した席ではないが確保した。
現在、WWFはWCWを完全に圧倒して、世界一のプロレス団体だが、
はたして半年後は、どうなってるかな。
まあそうは変ってないだろうけど。
せいぜい、WCWが潰れて、
ホーガンとビショフが新団体を興してるくらいかな。


セルジオ越後がフランスとイタリアの
サッカー事情を見にいく番組を見ていたら、
ミランの営業部長として出てきたのは、
あの色男マッサーロだった。
おお、懐かしい。
フロントに入っていたのか。
やっぱり、引退した名選手には、そういう道があるんだな。
それにしても、ローマはいいなあ。
パリも思ったよりはずっとよかったけど、ローマはもっといい。
またそのうちいってこよう。

なんとか使えるようになってきた。
改行は、sift+returnだった。
ただreturnを押すと、1行あきになってしまう。
反対のほうが使いいいのになあ。
色の使い方も、フォントの選び方も、リンクのつけかたもわかった。
まだ細かいとこはさっぱりだけど、
後は少しずつだな。

浦和戦は盛り上がったなあ。
横山が総監督になった時には、首吊りの足を引っ張るかと思ったが、
なんとか最終戦で帳尻を合わせた。
同点で迎えた延長線、今年無得点の土橋が、
フリーキックの、打ってくれといわんばかりのこぼれ玉を、
キーパーにはどうしようもない場所に叩きこんで、
奇跡のVゴール。
その瞬間、勝って浦和の結果を待っていたトリニータイレブンが、
がっくりと膝を折った。

結局、コンサドーレに次ぐ、2位でのJ1昇格だ。
ぶっちぎりで優勝して昇格しなくちゃいけなかったのになあ。
そのへんが、レッズらしいといえばレッズらしいか。
もし負けてたら、小野は移籍してたろう。
はたして来年、どんな結果を残すか。
楽しみではある。
またJ2落ちしないだろうなあ。


[11.20]
実は、昨日HDのフォーマットをした。
ここんとこずっと、あまり快調とはいえなくて、
動作は遅いしフリーズはするし、まあいろいろあって、
週アスのネタ作りもかねて、フォーマットしてしまったのだ。
忙しかったせいもあって、大して準備もせずにやったもんだから、
その後のトラブルもたくさんあった。
とりあえずは、HP制作ソフトが手許になかったことが、一番大きいトラブルだ。

かなり古いバージョンならあるが、
それはさすがに使いかたを忘れてしまったし、使い勝手が悪かった。
それで、急遽、以前もらったDreamweaverを使うことになった。
暮れにちょっと勉強して、来年からこれに切り替えようとは思っていたのだが、
まだぜんぜん勉強してない。
だから、使いかたがさっぱりわからない。

見ればわかるが、色の選び方がわからない。
行の詰めかたがわからない。
いや、それ以前に、これがちゃんとアップされるのかどうかも、
よくわかっていないのだ。
でも、とりあえずやるしかない。
参ったなあ。

まだ数日は、本格的にマニュアルを読めないので、
こんな状態かもしれない。
使いかたがわからないのではなく、
マニュアルを読まないでやってるので、
使いかたを知らないのだ。
ちゃんとアップされるかどうか、
写真やリンクがちゃんと生きてるかどうか、
ぜんぜん自信がない。
まあ、しばらく我慢して。

HDをフォーマットして、確かに快適にはなった。
速くなったしトラブルも出ないし。
でも、ソフトやドライバー類が行方不明で入れられなかったりして、
困ったことも多い。
どうしてもマシンの具合が悪くて、これ以外に方法がない、という場合には、
フォーマットは有効な方法だけど、
ほかの方法があるんなら、そっちにしたほうがいい。
ぼくは、あんまり薦めないなあ。

「鳩よ!」の今月号で、前川麻子が、「鉄槌!」の書評を書いている。
前川は、以前「品行方正児童会」という劇団をやっていた。
その劇団ではないが、
彼女のプロデュース公演に、ぼくは出演したことがある。
今は亡き渋谷SEEDホールで、12日間にわたってやったんだけど、
その前に、2か月以上の稽古が毎日あって、
日常の仕事もしなくちゃいけないので、
ぼくはほとんど死にかけたのだ。
でも、あの稽古を出演者の立場で経験したおかげで、
演出について、かなり客観的に考えられるようになったけどね。


毎日新聞の担当だった記者が、松本に転任になったのは、
もう1年くらい前だ。
そのうち一度遊びにいくから、といったっきり、
一度もいってないんだけど、
ちょっといきたくなってきた。
単行本もそろそろひと段落だし、
1泊くらいなら、なんとかならないでもない。

最初の妻が安曇野の出だったので、あのへんは多少詳しい。
松本も、よくうろついた。
でも、もっと前、学生時代にも、実は当時のガールフレンドと、
安曇野周辺は旅行にいっている。
初秋だったけど、やな場のスキー宿に泊まって、
秋祭りを見たり山を歩いたり、青春の思い出を作ってたわけだ。
碌山美術館にも、何度かいって、庭でぼんやりしていた。

こんな風に。
ああ、みんな懐かしい。

「11.18」
今夜から明け方にかけて、獅子座流星群が、また見られるらしい。

今年は、満月の後で明るいし、数も多くはないみたい。
一昨年、シャワーのように降るといわれた年、
厚着をして東八道路の公園まで車で出かけて、
ずっと空を見てたなあ。
時々小さい流星が空を横切ると、あちこちから歓声があがった。
結局、ふたつ、かなり大きな光が流れるのを見て、
ぼくは家に帰った。
いい夜だった。

今週号の週刊プロレスで、こないだのFMWの興行が、
巻頭で大きく扱われている。
もちろん、「呪いのベルト」に関しても、けっこう大きく扱っている。
ぼくの写真はないけどね。

Yahoo!オークションで「東京物語」が10冊セットで
8000円からというメールが来てたので、
どれどれと覗いて、「いしかわじゅん」で検索してみたら、
いろんな本が30点近く出ていた。
前になにか出品されてた時にも見たことがあるが、
こんな大量にはなかったんじゃないかなあ。
なんだか不思議。

この家に引っ越したのは、去年の7月だ。
もう1年4か月経つ。
でも、いまだに家中段ボール箱が積みっぱなしだ。
せっかくきれいな家を作ったのに、
現在はぜんぜんきれいじゃない。
なんとかしないとなあ。
年末に時間を取って、ちょっと本格的に片づけよう。
最近は印刷所が早く休みに入っちゃうんで、
案外、年末が空いたりする。
屋根裏と庭のデッキでお茶が飲めて本が読めるようにしたい。

風邪はもう治ったと思っていたんだけど、
今朝、仕事を終えて、さて寝ようと思ってベッドに潜りこんだら、
咳が出始めた。
なんだかちっとも止まらなくて、眠れない。
そのうち、咳のしすぎで喉が痛くなってきた。
何時間経っても、うとうとすると咳が出て、寝られない。
眠くて朦朧としてるんだけど、
眠りの沼に引き込まれる瞬間に、ゲホゲホと咳が出る。
これは、なかなか辛かったなあ。

約束があったんで、昼すぎには起きたんだけど、
眠くて頭がボンヤリして、今日は一日使い物にならなかった。
咳は起きてからも止まらず、薬を買いにいきたいんだけど、
打ち合わせがいくつも重なってて、外に出られない。
寝てる時ほどは、咳も出ないんだけどね。
夜になって、やっと薬局に走って、咳止めを買ってきた。
咳がちょっと止まったら、今度は眠くて、
どうも仕事にならんなあ。

若いころの写真をアップしたら、
もっと載せろというメールがいくつかきた。
でも、ないんだよ。
以前、「吉祥寺気分」というエッセイ集を出した時に、
資料として貸してくれというんで、
学生時代の写真を、イラストレーターとデザイナーに
半分ずつ渡した。
そしたら、イラストレーターは、それを全部失くした。
デザイナーも、ほとんど失くした。
だから、ぼくの学生時代の写真は、ほとんど残っていない。
ひどい話だよなあ。

さっき、まだ109万人にはなってないだろうと、
ふと入ったら、1090006人だった。
あぶないあぶない。

「11.16」
週刊文春でも、「鉄槌!」が取り上げられている。
P150の〈私の読書日記〉(鹿島茂)だ。
すごく誉めてくれてるのは嬉しいんだけど、
内容が全部書いてあるのは、ちょっとまずいかな。
OZマガジンには、写真インタビュー入りで出ている。

今週(11/17)号の週刊ポストで、「鉄槌!」が取り上げられている。
書評を書いた法政大学教授の島さんは、
ぼくが、漫画家を馬鹿にするな、という気持ちを持っていると
思ったらしい。
漫画家という身分にコンプレックスのようなものを持ってると思ったらしい。
いろんな読み方があるもんだなあ。
ちょっと驚いた。
コンプレックスは、ないなあ。
今時、そんなもの持ってる漫画家は少ないんじゃないかな。

FMW横浜文体のビッグマッチにいってきた。
もちろん、スカパーの生放送PPVだ。
前回のPPVで、怨霊の呪いのベルトについて、
解説席に乱入してまで警告を発したのに、
結局、怨霊×Goemonの
ベルトを賭けた対戦が行われることになってしまった。
しかし、負けたほうがそのベルトを受け取らなければいけないという、
敗者受難マッチだ。

先日、スカパーのクルーが、うちまで、呪いのベルトとはどんなものなのか、
やっと聞きにきた。
ぼくは懇切丁寧に教えてやったのだ。
あのベルトは、アメリカ南部の小団体が認定したものだったが、
当時から、持ったものに災いが降りかかるといわれていた。
今はその団体も消滅してしまって、管理するものもいなくなってしまった。
ところが、怨霊がどこからかそのベルトを手に入れて、
日本に持ちこんでいたのだ。

今日、ぼくは横浜文体におもむき、解説席の後ろに席を取って、
怨霊のベルトが災いを呼ぶ時に備えた。
まず、第一試合。
チョコボール向井×リッキー・フジ
チョコボールは、現役AV男優だ。
もっとも、かつてレスラーになりたくて、新日の試験を受けて落ちている。
FMWで、願いがついにかなったわけだ。
あんまり客が沸くこともなく、フジが勝った。
チョコボールはよく動くんだけど、やっぱり説得力がない。
まあそれは、フジも大差ないが。

第二試合。
フライングキッド市原×新宿鮫
これは、FMW社長の薫子ちゃんの争奪戦になった。
市原のガールフレンドだった薫子ちゃんが、
最近は新宿鮫に心を移してしまった。
WWFのステファニーFMW版と思っといていただけばいいのだが、
そんなこといったって、わかる人は少ないだろうなあ。
結局、市原が勝ったのに、薫子ちゃんは新宿鮫についてってしまった。

第三試合。
邪道/外道/中山香里×ブラッド・エリオット/ダミアン・ブレイド/パット田中
ガイジンはみんな小さい。
パット田中は、デューク・ケオムカの三男だ、といっても分かる人はいないか。
中山香里も星野美代子の娘なんだけどね。
レスラーも、2世が増えた。
勝敗は忘れた。
外道はいいなあ。

第四試合。
井上京子×山崎直彦
山崎が円盤を呼ぶというギミックつきだったが、ちょっとはずした。
第五試合。
工藤あずさ/元川恵美×大矢剛功
ハンディキャップマッチだが、工藤はオカマレスラーというギミックがあり、
大矢には、ギャオス内藤がセコンドとしてついている。
ドタバタだったのだが、内藤がタイミングをちょっと間違えて、
変な決着。

第六試合。
スプリーム/ホームレス・ジミー×保坂秀樹/マンモス佐々木
こっちのガイジンも小さい。
みんな日本人サイズだ。
ハードコアが売り物のECWのコピー、XPWの所属だ。
すごくデブで不細工なスプリームに、可愛いマネージャーがついていて、
試合前にディープキスしてたが、
趣味悪いぞ。
ハードコアタッグ選手権だったが、どっちが勝ったか覚えていない。

第七試合。
これが、怨霊×Goemon戦だ。
ぼくも解説席についた。
こないだうちで撮ったビデオが場内に流れ、
ぼくの呪いの解説に、観客一同、納得の表情である(ような気がする)。
対戦が始まったのだが、解説が3人なので、
ちょっと話しづらい。
ふたりだと掛け合いができるが、3人だと誰かが噛んでしまう。
まあいろいろあって、怨霊が勝ち、
呪いのベルトは嫌がるGoemonに渡された。
その瞬間、Goemonは血を吐いて倒れてしまった。
恐るべし、呪いのベルト。
だからぼくがあんなに忠告したのにー。

第八試合。
ミスター雁之助×黒田哲広
この試合は、雁之助が負けたら引退という条件である。
ところが、一進一退の末、雁之助は負けてしまった。
さてどう出る、と思ったら、意外にも雁之助は、挨拶をして去っていってしまった。
次回以降、どうやってつなぐんだろうなあ。

第九試合。
金村キンタロー×田中将斗
シングルのハードコア選手権だ。
金村のセコンドには、大日本の山川がついた。
力の入った流血戦だった。
金村は田中にずっと勝てなかったが、今日はついに勝った。
敗者田中は、若手に肩を借りて去っていった。
金村は、リング上で勝ち誇って、得意のダンスを踊った。
大した踊りじゃないんだけどね

第十試合。
冬木弘道×ハヤブサ
WEWシングル戦だ。
ハヤブサは、この試合を最後に、肘の手術で半年リングを離れる。
冬木は去っていくものにベルトは渡せない。
ハヤブサは、戻ってくる日のために主導権を押さえておきたい。
冬木にしては珍しく、きちんと闘って、冬木が勝った。
マイクを取り上げて、手術頑張れと殊勝なことをいって声を詰まらせ、
ハヤブサも感極まってリングサイドに集まった観客と握手しているところに、
乱入した黒田が、突然ハヤブサに襲いかかってKO。
観客は、エエーッと声もない。
黒田が、これからは俺が引っ張る、と宣言した途端、
観客から猛烈なブーイングが飛ぶ。
黒田は意外だったらしく、一瞬言葉が出てこない。
気を取り直して、ブーイングが怖くてプロレスができるかと開き直ったが、
テーマ曲がかかるのが一瞬遅く、
ちょっと盛り上がり損ねてしまった。

でもまあ、客も入ったし、いい興行だった。
ぼくの忠告はあまり役に立たなかったようだったが、
あのベルトはこの先、どうなってしまうんだろうなあ。
それがちょっと心配だ。